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たぶん異世界25日目

困ってます。


どうして困っているかと言うと、あれから襲撃されること3回。

面倒臭いので、寝てるフリしていたのですが、ヒルトは一瞬でカタをつけましたよ。


隙を見て、ドサクサ紛れてトンズラ作戦を決行しようとも一瞬すぎて無理でした。

私が起きていた時、手抜きしてたんだな~。

その戦い振りは凄まじかったですよ。

ちなみに私は目を瞑っていても見えます。職業柄。もちろん、やり方は例の如く企業秘密ですが。

まぁ、ヒトのこと言えた義理ではないのですが、その神的な強さは何なんですかね?

そして、何やったんですか・・・あぁたは。こんなに襲われる程に。

身形からして犯罪者には見えない・・・と、言うことは権力者かなんかですかね?


聞きたいけど、聞いたら終わりな気がします。

取り返しが付かない気がしまくりです。


で、知らないフリしてツラっと朝を迎えたわけであります。

死体はどうやら、ヒルトが魔法か魔術で処理したようです。


朝食後に


「では、私はそろそろ失礼させて頂きます。お世話になりました」

「じゃあ、俺も護衛がてら付いて行くよ」


「・・・」


は?何言ってやがるんでしょうね?コイツは。

いらねぇよ。バイナラっていってるじゃんかよと思ってしまいました。

が、ここはひとつ。立派な社会人として笑顔で、


「そこまでご迷惑をお掛けするわけにはいかないです。お気遣いなく」


と言ってあげましたよ。


「俺が君の傍を離れたくないんだ。君みたいなヒトは初めてで、もっと話したい。一緒にいたいんだ。きっと、俺は君に惚れたんだと思う。だから、傍にいさせてくれないだろうか?」


「嫌ですね。では、さようなら」


はい、ばっさり切りました。

猫被ってる場合じゃありません。


当たり前じゃないですか。どう考えても、こんなのと一緒にいたら碌な事にならないですよ。

しかも、もっともらしい理由をつけてますがきっと、何かあるに違いありません。


一目惚れを否定するわけではありませんが、私の勘が、こいつと関わるとヤバいと言ってます。

私の勘は当たります。昔から良く。はい。

そして、厄介なのは、こいつは私が何を言っても好意的と言うか、都合の良い様にというか・・・兎に角まともに受け止めません。


はっきり言って実力行使に出たいが、リスクが大きすぎる。

私の望みも叶って一石二鳥な気がしますが、こいつがどこの誰かもはっきりわからない以上難しい。本人曰く、軍人らしい。あの腕前で、更に聖魔剣の使い手となると、きっと、お偉いさんに違いない。しかも仕草が優雅。記憶の片隅から王族か、それに連なる者というのもあながち間違いでないことは予想がつく。

視れば簡単にわかるんだろうけど、視たくない。だって、後悔しそうじゃないですか。人間知らない方がいいこともたくさんあるんですよ。えぇ。処世術です。


そんな攻防をずぅぅぅぅううううっとしてます。

ヒルトは襲って来る刺客を殺りながら。

何事もなかったかのように、普通に会話しながら瞬殺です。半径3メートル以内に敵の侵入を許しません。


例えば、私が、


「今・・・」


「何かいたか?」


えっ?!

いたよ!いた!いた!

普通のヒトには見えないかもしれませんが、私、職業柄ばっちり見えてますよ。

今の一閃で二人の首、血が飛ばないように切り離しましたよね・・・しかも、笑顔で爽やかに!!


そして、面倒臭くなったのか、詠唱もなくこの辺一帯に人間を一瞬で塵にする魔法を発動した。

悪魔だよ・・・いくら私でもそこまでやらないのに・・・


ゆっきーはそんな私達を見て、笑って勝手なことを言っている


『この男は強いぞ。いいではないか。我は強い者は好きだ。」


じゃあ、ゆっきーが一緒にいてあげなよ。


『この男はカオルに惚れてる故、仮に私が申し出ても無駄だろう。そんな気はもちろんないが、そろそろ、諦めたらどうだ?』


・・・。


ため息が出る。


何でこんなのに気に入られちゃったかな。

こいつ、めちゃくちゃヤバいです。はっきり言って、敵に回したくないタイプです。

でも、偉いんなら、こいつの部下だかなんだかが、きっと、こいつ引き取りに来てくれるよな~

それまで我慢か・・・出来るかな・・・


我慢の限界が来たら、もう、吹っ飛ばそう。

そうしよう。


違う国にトンズラすればいいや。うん。

いいね。職業軍人と遣り合うの。楽しいよ。きっと。

ヒルト強そうだし。


そう思うしかないのでした。


あぁ、面倒臭い。


結局、ヒルトの粘り勝ちでしたよ。

彼は暫く、私に付いて来るそうです。


取り合えず、宿に戻ろう。

戻って、ティアに何とかして貰おうかな。このヒトを。

無理だろうな~


こんなことなら、森に行かなきゃ良かった・・・

せっかく、気配を避けたのに・・・変なモノ拾ったら意味ないよね!!

ぐはっ。


ちなみに、あの時感じた、複数の気配はヒルトが遣り合ってた時で、その後、転移して私が拾ったところで力尽きたそうです。くぅうううう。なんてついてないの?!私!!!


もう、どうでもいいや。

考えてもどうしようもないことは、考えるのよそう。

ご飯食べて、元気出そうと思います。


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