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たぶん異世界24日目 ~ヒルトの日記 4ページ目~

俺は目標を決めてから、彼女に猛烈アタックを開始した。


暫く、一緒にいる為の了承を得なければ、食事が終わったらまた、すぐに彼女は去ってしまう。


お礼に託けて、あの手この手で一緒にいることを了承して貰おうと頑張ってみた。

それはもう、熱心に。時々、彼女の可愛さに悩殺されながら。


カオルはやはり、俺が知る女共と全然違った。

俺の誘いに全く応じない。今までの女は俺が、声を掛けるだけで喜んで付いて来た。

声を掛けただけで、歓喜し喜んで自らを差し出す。


彼女は俺の誘いに動じないどころか、嫌がる。


しかも、彼女にしつこい男は嫌われるとまで言われてしまった・・・

正直かなり、堪えたが、今はそんなことに一々落ち込んでいては彼女の傍にいることすら出来なくなってしまう。めげずに、頭をフル回転させながら、はっきり断られないように食い下がる。


そんな時に殺気を感じた。カオルは気付いていない様子だ。

俺はカオルに感づかれないように和やかな会話を続けながら確認する。

数は25,6か?

気配から獣型魔族と暗殺者だろう。


兄と王妃は魔族に暗殺を依頼したのだろうか。それとも協力者か。

兄が王になった暁の見返りでも約束しているのだろう。どちらにしろ、よくやる。

最近、神族や人間では埒が明かないとでも思ったのか、魔族も一緒に襲ってくるようになった。負ける俺ではないが、カオルがそれらを一掃する俺に怯えて、逃げられたらどうしてくれよう。そうなった暁にはあいつら絶対、根絶やしにしてやるっ。簡単に殺したりはしない。生きてることを後悔させてやる。それよりも、この状況をどうするかだ。


瞬殺は辞めておこう。

カオルに嫌われたくない。ちょっと、手を抜いて・・・でも、あまり時間を掛けるとカオルとの時間が減ってしまう。瞬殺三歩手前くらいにしよう。


気配が迫って来た。

3、

2、

1、


刺客がこちらに襲い掛かる瞬間、俺は一瞬で愛剣「レイティア」を抜き、襲って来た者1人と獣型魔族2匹を絶命させた。


残りの数と位置を確認すると、


「ごめん、ちょっと、ここで待ってて貰えるか?君は俺が必ず護る。すぐ済む」

彼女を怯えさせない為に、なるべく、優しく断っておく。


そして、計画通り瞬殺三歩手前程度で倒した。

カオルの為になるべく、血が出ないようにしたが暗殺者の一人が錯乱して、仲間を切りつけて血の海にしやがった。彼女が怯えて、この後、俺と話くれなくなったらどうしてくれよう。


組織ごと壊滅してやる。

俺は決めた。今、決めた。暗殺組織のひとつやふたつ、カオルの隙を見て近々、すぐにでも潰してやる。


片付けた後に、彼女を促して場所を移動した。

血の海をなるべく見せないようにして。

幸い、今は暗い。きっと、死体や血もあまり見えないだろう。


彼女は意外に血も戦闘も大丈夫なようだ。

聞くと、きのこ狩りには危険が伴うことが多いので戦闘することもあると言う。

こんな妖精みたいなカオルが戦うなんて驚く。少し、見てみたい気もするが、彼女が戦わなくても済むようにこれからは俺が護りたい。


彼女との楽しい夜が更けていく。


彼女が寝付いた後も刺客が数度襲って来た。

彼女が寝ているのを確認して、強力な結界を張って彼女の安全を確保する。

敵がここに到達する前に、俺は気配を消して一掃した。

もちろん、彼女を気にしなくていいので瞬殺だ。彼女のかわいい寝顔を見る時間が減ってしまう。

一刻も早く彼女の傍に戻りたい。


明日、ここを通ってもいいように戦闘の痕跡は、魔法と魔術で全て消した。

それを数度繰り返したが、俺にとっては素晴らしい夜だった。


これから、どうやって彼女の傍にいさせて貰おうか。


今日、この日は俺の世界の中心に出逢った忘れられない日となった。

この日から、俺の世界はカオルを中心に回ることとなる。




ヒルトは予定よりも超絶変態残念美形になってしまいました・・・

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