たぶん異世界24日目 3ページ目
来た!
来た!来た!来ましたよ!
追手と思われる方々が。
敵がこちらに襲い掛かる瞬間、ヒルトはそれまでの穏やかな雰囲気を一瞬で鋭いものに変え、襲って来た者1人と獣型魔族2匹を聖魔剣で絶命させた。
「ごめん、ちょっと、ここで待ってて貰えるか?君は俺が必ず護る。すぐ済む」
と、軽い感じで言うと瞬く間に、その剣で屠った。
その数ざっと、20余り。
一瞬すぎて、ドサクサ紛れて逃げる暇なかったデス。
もっと、粘れよ敵。負けてんじゃねぇよ。そんなんで暗殺者だか追手だかしてんじゃねぇよっ。
と、盛大に相手を罵りつつも、ヒルトの強さに目を見張る。
剣技だけでこの強さ。本来の戦い方はきっと、魔法と魔術を使うと思うのだけれど、どれ程強いんですかね?面白い。いいな~いいな~。私も手合わせして欲しいな~。
ゆっきーも
『さすがは聖魔剣の使い手と言ったところか』
と、珍しくも感心している。
だよね!そうですよね!かっ~。
やっぱり、一度手合わせ願いたい。これはあれかしら。
お別れした後に、顔を隠して暗殺者装って手合わせしに行こうかな。
こんなに追手が掛かるくらいだから、命狙われるのなんて日常茶飯事だよね。
きっと、怪しまれないよね。ウハっ。どうしよう。どうやって・・・って、違う違う。
せっかくの好機だったのに、何やってんですか。
敵さん弱すぎて、逃げ惑うフリしてトンズラするの無理だったよ。
どうしてくれよう。
そんなこんなで私の夜は更けていきました。
もちろん、場所を移して、野宿でしたよ。
血の海のど真ん中で、さすがにツラっとご飯食べながらお話するのはね・・・
職業柄、本当は全然、全く気になりませんけどね。
通りすがりの一般的なきのこ狩りの旅人としてはねぇ?
・・・がっくり。