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たぶん異世界23日目

ぐっすり眠れました。


私たちは、当初の目的地であった首都グーズクレイへーではなくその向こう側の商業都市カナリーへ行くことに。


通常の移動手段だとかなり日数が掛かりますが、私たちは裏技を・・・ゆっきーに乗ってカナリーというそこそこ大きな街に行った。と、言うのも道中の足湯で休憩中の時に出会った旅人さんに面白い話を聞いたからである。


面白い話と言うのは、首都グーズグレイの北にある街、カナリー周辺で最近伝説の魔獣だか魔族らしきものや高位精霊が頻繁に出現するようになったんだとか。

カナリーは商業と傭兵の街としても有名だが、最近はそれらの影響で人の行き来も激減しているとか。そうなると、商業も上手くいかないうえに、国から派遣された精鋭の騎士団も、腕利きの傭兵さえも歯が立たなかったとか。現状、国としても街としても打開策を思案中と言うことらしい。


それを聞いた私はもちろん、即決ですよ。


だって、今しか見れないなら見ておかないと損するじゃありませんか。


観光ですよ。観光!


魔族は、もう、ジャスティアで見たのでどうでもいいんですが、見たいじゃないですか!

魔獣とか高位精霊!!!魔獣は魔族と違うらしいですし!どんなんですかね?うっは~楽しみですよ!


ゆっきーもティアもカナリーに行きたいと言ったら、ノリノリでOKでした。

一人と一匹も、もちろん、面白そう!と言ってくれました。やっぱりね。そうだよね!おもしろそうだよね!見ておかないと後悔するよね!


その前にティアと私の容姿を地味にするように色々と変更。


特に私の紫紺の髪と瞳は珍しいとのことで変化の術で一般的な茶色に。


ティアが言うには私は人並み外れた清楚系美少女に見えるらしい。おぉ!平々凡々の私が清楚系美少女ってティアの欲目としか思えませんが、訂正するのも面倒臭いし、地味で目立たなければどうでもヨシですが、褒められると嬉しいですね。


後は髪型やそばかす追加、メイク等で・・・おぉうっ!

別人です。楽しいです。職業柄変装とかたまにあったのですが、ティア!

すごいよ!ヘアーメイクアーティストになれるよ!


地味な街娘その1の出来上がりです。


早速、その言葉通り、色々と役に立ったティア。同行OKして良かったですよ。ジャスティアの情報網と総帥の娘である権力をフル活用して色々と調べてくれました。が、ある程度しかわからないとのこと。

ですが、ジャスティアのカナリー支部(でいいのか?)にやその周辺の拠点に直接行けばもっと詳しいことや、最新の情報、現状等がわかるかもしれないということで、カナリー到着早々にティアは挨拶もかねて行ってくれることに。


その間、私はティアの手配してくれた宿を拠点にカナリーの街を情報収集がてらブラつくことに決定。

ティアはいつ帰ってくるかわからないので、実質一人旅状態です。正確にはゆっきーもいるので一人と一匹ですが。二人でも楽しいけれど、一人も楽しいのでウキウキです。ティアがいない時にしか出来ないことでもやってみようかなですよ。はっはっは。


が、ブラつくといってもそんなに大きな街でもないし、お店等はティアと一緒に見て回ろうと約束しているので(しかもガッチリ釘刺されましたからね。一人で回るなと)先に色々と覗いてしまうのもティアに申し訳ないので最低限の食事をする程度にすませてしまう。


う~ん。

ティアが仕入れた情報と大差ないことしか聞けず。

もちろん、職業柄、用心しながらの情報収集です。直接聞いたりすれば色々とやっかいごとフラグが立ったら困るので、魔法や魔術をフル活用。一番手っ取り早く、酒場や情報交換されやすそうな場所に行き、モノの記憶を読み取る。ヒトの記憶も同じく読み取れるのですが、魔法や魔術は勘付かれたら、面倒なので今回は避けておいた。まぁ、そんなこんなでたいした収穫もなく、のんびりティアを待つことに。


やることないので、カナリー周辺でもお散歩してみますか。

もしかしたら、高位精霊とか魔獣とかに会えるかもですしね!


ふっふっふ。

高位精霊とか魔獣って強いんですかね?

私は職業柄スキルアップ出来る機会は見逃せないのですよ。今いる世界では目指せ地味でどこにでもいる一般市民!ぐーたら生活万歳!を目指してるのですが、万が一元の世界に戻った時のことを考えると最低でも現在の実力は維持ですよね。でも、せっかくならスキルアップしたいところです。


色々と考えながら歩いていると、複数の気配を感じる。

「ゆっきー面白そうな気配するところある?」

私はあっちらへんから複数と、むこうらへんから単独でものすごい気配が。

どう思う?


『あちらはどうやらヒトが何かを追い回しているようだが?むこうは何かよくわからないが魔族に近い気配がするな。ほかにも何箇所か魔物や精霊、魔族の気配があるようだが、小物のようだ』


「どれも面倒そうだから、とりあえず、回避の方向で。散歩がてら、あっちと向こうの間の湖の傍に生える笑い茸としぬほど美味しい珍味のひとつ黄金茸を取りに行こうか?」


『大丈夫か?』


「とりあえず、ティアの情報待ちだし、よくわからないモノに手を出してやっかいごとに巻き込まれたくないけど、暇だし?力を使って視ることは出来るけど、今はそんなことよりも、噂に聞いた笑い茸よ!手に入れてティアに試してみよう。効果もわかるし、面白そうだし一石二鳥よ!」


『その前に気付かれるのではないのか?』


「ふっふっふ。ほら、そこは隙をついていかに食べさせるかを考えるのが楽しいのよ!」


『・・・そうか』


「そう!」


私たちは色々と世間話(?)をしながら楽しく笑い茸があると思われる森の中へと入って行った。


笑い茸が採れると噂の森はかなり深く、奥の方にある湖あたりまで行ってしまうと魔力も使えず方向感覚も狂ううえに、わりと強い魔族も多く生息する為、あまり入るヒトはいないらしい。

ちなみに笑い茸も黄金茸もこの奥の方にあるそうな。取るのが大変だから珍味なのですね。ムハっ。ますます食べたくなりますね。食べるのアレなら売っちゃえばいいしね。珍味なだけあって高額取引されてるらしいから。


目的を達成する前に魔獣や魔族に襲われると面倒なのでここはゆっきーにお願いして寄って来ないようにしてもらう。

目的のきのこ狩り後に、余った時間でスキルアップがてら散策しようと思ってるので。簡単に言うと神龍であるゆっきーに寄ってくんなオーラを出して貰う。そうすると、ゆっきー曰く、腕に覚えがあるようなヤツ(魔族だと魔王やその下あたりのクラス)でもない限りは勝ち目がないので寄って来ないらしい。


危険を回避してスルっと奥まで来ました。


神秘的な感じの大きな湖とその水辺に謎の動物だか魔物だかがいます。

さて、湖のすぐそばに生えてるということなのでここで魔術を駆使してきのこの在り処を探索。魔法でも出来るけど、空間をまるごと探索した方が早いので魔術を。もちろん、市場で手に入れた黄金茸と怪しげなお店で手に入れた笑い茸の現物を媒体に探索。

ハイ!ヒット。


これ、本来の使い方は暗殺者避けの罠とか隠し部屋とか金庫とか探すのに使うのが一番一般的なんだけどね。使えるモノは使いますよ。


と、いうことで大収穫出来ました。

ちなみにこの黄金茸。ゆっきーのおやつにもなりました。

好きなにおいと味がするらしい。神龍であるゆっきーが好きとは意外です。私も、後で焼いて食べてみようかな。


収穫したきのこを異空間に収納して、さて、どうしよう。と思って右足を差し出したらむにゅとなんか踏みました。


ここは草丈が私の膝上辺りまで来ている為、足元がよく見えない。その為、私は気配は職業柄敏感ですが念には念をと危険そうなモノには反応+防御結界のようなモノを周囲に張り巡らせている。


ジャスティアでわかったことなのですが、私は異世界産の人間なので使う魔法やら魔術もこちらのものとは違うらしく異質なモノが多いらしい。これもそのひとつ。中には同じモノもあるみたいですが、大多数は異質なようです。使えればいいので何でも良いのですが、他人に知られるとやっかいなことになりそうなので初歩魔法しか使えないことにしておきましょう。


そんな私の術に反応しなかったってことは死体でも踏んだんでしょうかね?

何度か踏んでみると結構大きいようです。

気になったので魔法で草を避けてみる(無駄な殺生はしない性質なんです。草も生きているんですよ)


「・・・」


しばらくそれを眺めて考える。

「面倒くさっ。見なかったことにしようかな」


『ある程度わかってたことでは?しかも、その者、虫の息であるがかなりの力の持ち主のようだな』


「やっぱり、ゆっきーにも生きてるように見えるかぁ」


『ここで放っておけば、屍になるのは時間の問題と思われるが、どうやらこの者、聖魔剣の使い手のようだ』


「聖魔剣?」


『類稀なる剣で。持ち主次第で真にも聖にもなる。いかなるモノをも切り裂き、主と認めたモノには大きな力を授けるとも言われている』


「おぉっ!それは伝説の剣とか言うヤツですか!へ~これ?このヒトが握ってるヤツ?確かにすごい力があるのはわかるよ!しかも意志を感じる・・・クラウディアみたい!面白いなぁ。私には「クラウディア」があるから欲しくないけど、いい剣だね」


と、うつ伏せに転がってる男(しかも、重症と思われる)の右手に握られている剣を眺めまくっているとゆっきーが


『カオル・・・生かしてやるなら、そろそろ手当てしてやらないと屍になると思うが・・・』


「そうだねぇ。どうしようか?」


生ゴミ男(これ)は考えても、フラグな気がする・・・

人生の分かれ道ってね。


やっと、お相手しました。

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