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無限問題  作者: 城宮 美玲
恋心編
20/88

第十六話 目指せ!女の子化計画

最近、また冬音について気づいた事があります。それは…冬音が眼鏡フェチだと言う事。何故その事に気づいたのか?そこから話す事にしよう。


「冬音?」


「…ん?何?」


まず話しかけても上の空であたしの話を全然聞いていない。そしてフェチに気づく前は近くを通る男子をただ見ているだけだと思っていた。


しかし男子は男子でも眼鏡をかけた男子しか見てない事に気づいた。それが気づいた最大のキッカケ。別に何が好きでも構わないけど、人の話くらい聞いてほしい。


「話聞いてた?冬音」


「聞いてなかった」


「また聞いてないの?全く…」


さすがに、ここまで人の話を聞かないと呆れるを通り越して感心してしまう。あたしは冬音が見ている方向と同じ方を見た。やっぱり眼鏡男子がいる…。


「そんなに眼鏡かけた男子が好きなの?」


「いや、好きなのは眼鏡だけだから、男子は別に好きじゃない」


「そうなの?」


まあ、冬音が男子に興味あるって方が驚きだなー。もし、そうなら明日は嵐だ…絶対に。そういえば眼鏡で身近に誰かいたような気がするんだけど…誰だったかな?


あたしが首を傾げながら考えていると冬音が眼鏡男子……眼鏡から視線を外してあたしに視線を移した。そして頬杖をつき、一息つく。


「春香は秋のどこが好きなの?」


「いきなりだね、うーん…皆に分け隔てなく優しいところかな?」


「私には優しくないし、分け隔てしてるし…」


そう言って冬音はすねてしまった。と言うか自分だけ優しくされないのが冬音にはショックだったらしい。嫌われるのはいいけど優しくされないのは嫌って事?よく分からないなー。


「でも冬音が優しくされないのは当然だよ?いっつも喧嘩売ってるし…」


「秋に対しては大安売りしてるからね」


「うわー…」


もう…うわー…としか言いようがないよね?だって大安売りしちゃってるんだもん。秋も大変だなー…もしかしたら冬音、会う度に喧嘩売ってるんじゃないの?


「会う度に喧嘩売ってるから優しくされないのも春香の言う通り当然だね」


当たっちゃったよ…あたしの予想当たっちゃったよ…会う度、喧嘩だよ。ああ…誰かこんな冬音を今日一日だけでも変えてください…。誰かいなかったかなー?親しくて女の子らしい…あっ…。


「って事で桜が思いついたの。どうにかしてくれない?」


「親友だとここまでパターンが似るのね…まあ、いいわ。それでまず松永さんが女の子らしくするなんて考え付かないんだけど…」


「あたしも」


いつもクラスの男子と口喧嘩か取っ組み合いの喧嘩かあたしと一緒にいるか…秋と喧嘩してるか夏騎を見てるか…女子が男子と喧嘩してるってのが致命的なんだよね…。


「思ったんだけど…春香は何で好きな人が松永さんに優しくないからって松永さんを女の子らしくしようとしてるのよ?ライバルになっちゃわない?」


「だって冬音と秋が会うだけで一触即発だよ?そんな状態と好きな人が好感持つのとどっちが秋にとって安全かな?」


「なるほど…ちゃんと考えがあっての事なのね」


桜は納得したように腕を組みながら何度か頷いた。その様子を見て、あたしは更に続ける。


「これで冬音が女の子らしくなるチャンスかもしれないでしょ!それに喧嘩が起きてあたしや夏騎が仲裁する事もまず無くなるし」


「後者が本音っぽいわね。それにしてもどうするの?内面は難しいけど外見からなら私にかかれば容易いわ」


「本当に!?ああ…でもどうやって冬音を…」


今の事を…仮に『女の子化計画』とでもして置こう。その計画の事を冬音に話したところで乗り気になるとは到底思えないし、第一逃げ出してしまうだろう…。


さて、どうしたものかと悩んでいると桜がそんな事かと言うような表情でこう言った。


「私の家に服が沢山あるから…勉強会だとでも言って連れて来なさいよ?なんなら秋と夏騎君も連れて来ればいいわ。その方が色々と面白いでしょ?」


最後の意味深の言葉がよく分からなかったけれど、あたしは桜の言った通りにする事にした。ついでにあたしもオシャレにしてくれるそうなので迷う事なく了承した。




桜の家に向かう今、あたしと夏騎はなるべく秋と冬音を近づけないように必死だった。もう爆弾みたいなモノで少しの挑発と秋と冬音が入ればいつでも爆発してしまう。


学校から直接向かうので制服のままだけれど、制服から可愛い服の方が感じが違っていいだろう。秋が冬音に優しくなり喧嘩が無くなる&あたしにも好感が高まる事も大いにある。


まさに一石二鳥!世の中こんなにいい事が二つも同時に起こったりしていいのだろうか?まだ起こってないけど絶対にいい事だ。


家に着くと、普通の一軒家で安心した。桜まで秋達みたいな家だったらどうしようかと不安だったんだ…。ちなみに秋達の家は何度か行ってる今でも慣れない。慣れる人なんているのだろうか?秋達を除いてね?


「やっと来たわね、上がって?」


普段の雰囲気のようにオシャレで大人っぽいシックな服を着て、桜は出迎えてくれた。同性であるあたしが一瞬見とれてしまったのに秋や夏騎は顔色を全く変えていなかった。


もしかして私服にトキメかない方達なのだろうか?だとしたら、この計画は全くの無意味って事になるんじゃないの?


そんなあたしの心配を余所に桜はあたし達を自室へと案内した。あたし達は座布団に座って待っていたけれど、やっぱり冬音は落ち着かないらしく部屋ほウロウロしている。部屋を出ないだけ進歩してる…。


桜が戻ってきて事情を知らない…教えていない秋と冬音は鞄から勉強道具を取り出していた。夏騎には、とりあえず教えていたので座布団に座ったままでいる。


そんなあたし達に冬音と秋は首を傾げている。すると桜が強引に冬音の腕を引っ張り部屋から連れ出した。秋は唖然とその光景を見て立ち尽くす。あたしも続いて二人を追いかけるように部屋を出た。


「一体どういう事か説明してもらおうか?」


不機嫌むき出しで冬音が腕を組みながら仁王立ちしている。そんな冬音に構わず桜は冬音とあたしに似合いそうな服をチョイスしていた。


「冬音、女の子化計画だよ」


「計画名じゃなくて何故本井さんが春香や私に似合う服を探してるのかって事」


「冬音を女の子らしくする為に…」


計画名まんまじゃん…と溜息を吐きながら冬音は腕を組むのを止めて膝を抱えて座り込んだ。


「とりあえず春香はピンクの所々にリボンが付いたワンピースとかどうかしら?シンプルだけど可愛さもあるわよ」


「うわー!あたし、こういう服好きなの!ありがとう」


お礼を言ってからあたしはワンピースを受け取った。次に桜は冬音に視線を移す。冬音は膝を抱えて座り込んだままだ。


「じゃあ…松永さんにはギャップを加えてみようかしらね?」


桜はまた、意味深な言葉を言ってニヤリと笑った。本当にニヤリって効果音がつきそうなくらいのニヤリだった。




そんな訳であたしはワンピースを着て、先に部屋へと戻った。二人共、可愛いと褒めてくれた。そして少ししてから冬音が制服姿のままで戻ってきたのであたしは首を傾げた。


「さあ、松永さん。さっき言った通りにしなさい?」


そう桜に言われて躊躇しながらも冬音は…。三回グルグルと回って「ワン…」と赤く…なる訳ではなく青ざめた顔で、もうこの世の終わりだと言う顔をしていた。


「え…何…?」


誰のリアクションもないこの空気の中であたしが一番初めにそう発言した。随分リアクションに困る行動だ…。


「もうプライドズタズタ…」


「あら?プライドの代わりに得た物があるわよ…きっと…」


「きっと…って自分でも得た物について自信ないじゃない…」


冬音はどこからか持って来た毛布で身を包み、隅の方に行ってしまった。得た物なんて…あたしもないと思う。失った物の方が多そうだな…。


「冬音もさ…断ればよかったのに?桜の提案なんて」


「女王の提案を却下なんて出来る訳ない…」


誰!誰が女王?もしかして桜!?一体あの短時間で何があったの!?そう聞こうとしたけれど冬音は、また毛布を被ってしまった。


仕方が無くあたしの中では女王と推測する桜に聞いてみる事にした。桜はジッと腕を組みながら立っていた。


「なんか女王の提案は断れないとか言ってるんだけど…一体何の事?」


「ああ、私が冬音のお姉さんに電話して意見を求めたのよ。それでギャップと言えばに ああ(・・)答えたの」


さっきやった三回ってワンの奴か…あれはギャップではないけれど、その提案を良しとする桜も桜だな…。なんだろう?冬音はお姉さんに逆らえないの?


この日、冬音の苦手な人が増えた。


お姉さんと桜だ。性格的にこの二人は似てるからなー…ドンマイ…冬音。






                              続く*

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