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無限問題  作者: 城宮 美玲
恋心編
19/88

第十五話 風とセーター(後編) side冬音

春香のセーターと私のスケッチブックを取りに行く為に私は始めにスケッチブックを取り行った。まずは自分の忘れ物から取りに行こう。そうしよう。


それにしても今気づいたんだけど授業中にセーター借りる為だけに教室訪れるって絶対勘違いされるじゃん。私が秋を好きなのかなーとか。そんな事思われるくらいなら私、明日が地球最後の日だとして笑って過ごすわ。その方が勘違いされるよりマシだわ。


でもそうなると春香へのセーターどうしようかな?って事になるんだよね。だってないと春香が凍える、凍ってしまう。って言っても私はセーター持ってないし…そうだ…。


「…と言う訳でセーター貸して」


「事情は分かったけどなんで私の居場所が分かったのよ?エスパー?まさかストー……」


「そんな事に時間つぎ込むくらいならゲームを攻略するのに時間使う」


「言うと思ったわよ…」


溜息を吐いてから本井さんは足を組み直した。ちなみに本井さんがいたのは屋上前の階段の所。どうして居場所が分かったのかって?そりゃあ、廊下を歩いてたらサボってる男子生徒が近くにいたから、ちょっと聞いただけだよ。


「でも松永さん、セーター無くても大丈夫そうじゃない」


「自分で言うのはいいけど人に言われるとムカッとするよね。私じゃなくて春香が…」


「華奢だものね?いいわよ、ちょっと待ってて?」


そう言って本井さんはスクールバッグを開けて中からセーターを取り出した。セーター常備!?いや、別に時々肌寒かったりする日もあるけど夏にセーター常備って…。


フリーズしている私を見て本井さんは首を傾げながら雑に畳んであったセーターをきちんと畳み直して私の前に差し出した。そこで私は我に返る。


「どうしたの?大丈夫?」


「あっ、うん。ありがとう」


「それにしても夏だって言うのに肌寒い日が続くわね?」


春香の元へ戻ろうとした時、本井さんが話を振って来たので私は一瞬言葉を詰まらせた。本井さんは頬杖をついて屋上へのドアに小さく付いている窓を見ていた。


「……そうだね、本井さんも風邪とか気をつけて」


「あなたもね」


セーターを受け取り、本井さんに一度頭を下げてから私は改めて春香の元へと向かう。セーター、女子のもので良かったんだろうか?春香も華奢だけど本井さんも負けず劣らず痩せている方だ。だから体にフィットして秋のセーターじゃないってバレるかも……断言します…バレる。


そうだ、春香のセーターの前に自分の忘れ物取りに行こうとしてたじゃん。完全に忘れてた、春香のセーター問題の方が重大で完全に忘れてた。春香の元へ行く足をもう一度、一組に戻して私は小走りした。廊下は走っちゃダメだし走ると音で分かるから小走り。


あれ?小走りって走ってね?走りついてるし…って今はそんなのどうでもいい。一組の教室に着き、自分の机を見ると、やっぱり忘れ物が置きっぱなしになっていた。それを抱えて私は春香の元へ小走りした。もう走ってもいいかと思ったけど…なんか走ったら負けな気がする。




外に出てベンチに座っているらしい春香を見てみると死……んでいる訳もなくただ寝ていた。こんな肌寒い場所でよく寝てられるな…。そんな事に呆れながら春香を起こす。さすがに授業中だから…。


「ほら、セーター持って来たよ」


「ん…んん?あっ冬音ありがとー」


目を擦りまだ眠たそうにしながら春香はセーターを着ていく。そして寝起きでいつもは寝ぼけてるのに今日の春香は冴えていた。やっばり私の予想通りだった。


「なんかフィットする…これ女子のでしょ?」


「今日の春香は冴えてるね…」


「知り合い以外から借りる訳ないから…本井さん辺りかな?冠凪さんはサイズ合わない」


今日の春香は冴えに冴えていた。借りた人まで当てるなんて…恋は偉大と言うか怖いと言うか…。ここまで秋のセーターを求めているとは…。


「だって双子のクラスの授業妨害してまでセーター貸してなんて言えないでしょ?」


「うう…行かなかったあたしには否定出来ない…」


渋々春香は本井さんのセーターで我慢して授業に参加する事にした。私の忘れ物も無事取って来れたし、とりあえず一件落着でいいのだろうか?いいな、もう面倒だから。


ちなみに春香の絵ですが…


「え…何それ?」


「……目の前に生えてる花」


「どう見ても花の怪物にしか見えないんだけど…」


どうやら春香は絵が苦手みたいです。と言うか苦手で収まりません…私の料理と同じようにちゃんと目の前にある物を移して、またはレシピ通りに作っているのにモンスターが出来上がります。花なのに眼があって口があって…恐ろしく目つき悪いです。何もかもが尖っています。


それに比べて私は絵だけは得意で、もう見たまんまの絵。それを春香に言うと泣きそうになって半泣きになります。絵を描いて見せる時の春香は取り扱い注意。そう書いた紙、額に張ろうかな…。


張ったら絶対に怒られるけど…。






                    *続く*

リアルでは今、秋?冬くらいですが話では夏です。


今更ですがクラス、春香・冬音が一組、秋・夏騎・そして何気に桜も三組、そして紅葉が四組。今気づいた、二組が誰もいない…。


そして最近サイエンス部の事件ないし部自体あんまり出てないです。

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