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無限問題  作者: 城宮 美玲
恋心編
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第十二話 割れ物騒動

今日は土曜日で特に用事もなく、まったりと過ごしている時に携帯が鳴った。電話だったのですぐに出なければいけなく…行方の分からなくなった携帯を音だけを頼りに探していた。


正直言ってあたしの部屋は物が多くてゴチャゴチャしている。なので物を探すのにも一苦労…そんな中で携帯が見つかるなんて最早奇跡に近い。


そんな奇跡が起こった!と言うかあたしの制服のポケットに入ってた。なんで気づかなかったんだろう…幸いな事にまだ携帯は鳴ったままなので、電話に出る。


着信相手は冬音だった。一体何の用なんだろう?休日でも一緒に出かけたりする事もあるけれど、あたしが誘う事がほとんどだ。


「もしもし?」


《春香?これから季野君達の家に行くんだけど、一緒に行かない?行くよね?》


「そりゃ、行くけど…」


《良かった!》


良かったってどういう意味だろう?と言うか声が近くに聞こえるのは、あたしの気のせいだろうか?その答えはすぐに分かった。


《もう春香の家に来てるんだよね》


「えっ!?」


あたしは慌てて窓の外を見た。けれど冬音の姿がない。やっぱり出任せだったのだろうか?そう思っているとあたしの肩を誰かが叩いた。


あたしが振り向くとそこにいたのは…。


「キャーーーーーーー!」


「うわっ!驚かなくてもいいじゃん。可愛い悲鳴上げちゃって…」


心外だと言わんばかりに冬音が不機嫌そうな顔をする。あたしは携帯をポケットに仕舞った。


「誰だって、さっきまで電話してた人が背後に立ってたら驚くでしょ!」


「言ったでしょ?春香の家に来てるって…」


「家の前にいると思ったよ。普通部屋にまで入ってきてるなんて気づかないし思わないし…」


冬音はあたしの部屋をゆっくりと見回す。


「それにしても凄い部屋だね…掃除してないの?」


「してるよ!物が多くて…」


「そうなんだ?へぇー…それでさ」


その事はもういいのか冬音は話題を変えた。あたしが今、一番気になっているのは冬音がどうして秋達の家に行こうなんて言い出したかだ。


「どうして季野君達の家に行こうって話になったかと言うと…」


「うん…」


「暇だったから、それでなんとなく…」


なんとなくで親友の家に来ちゃうんだもんな…。あたしは、このまま冬音を帰す訳にもいかず、手っ取り早く仕度をして家を出た。


「春香って一人っ子?」


「うん、そうだよ」


「いいなー!やっぱり一人っ子だと親も甘いでしょ?」


「そんな事ない……よ?一人だと結構暇」


今…あたし嘘吐きました。あたしの親…すごい甘いです。親バカの域に軽々達しています。




秋達の家に着き、インターホンを押すと私服姿の二人がいた。新鮮!特に秋が!目を輝かせていると冬音が秋達に聞く前に家へと入って行った。


「おじゃましまーす」


「ちょっと冬音!まだ聞いてないのに…」


「気にするな、松永が聞きもせずに入って来るのは予想出来た」


予想が当てられちゃう冬音って…。秋達も特に迷惑がってる様子でもないので、あたしも入る事にした。相変わらずの広い部屋に庶民(?)のあたしは何回来てもなれない。


夏騎と秋がお茶とお菓子を持って来てくれるらしいので、あたしは近くの椅子に座って待っていた。冬音はリビングの方へ行っていた。


暫く経った時、パリンッと何かが割れるような音がした。音の方角からしてたぶん冬音のいる…リビングの方からだった。


あたしが一番に思った事……もしかして、いや絶対冬音が何か落とした!……だ。嫌な予感を感じながらもあたしはリビングの方へと歩いて行った。


「冬音…何か落としたでしょ?」


「第一声がそれ?確かに落としたけど…」


俯いて申し訳そうにしながら冬音は視線をしたに移した。あたしも続いて冬音の足元に視線を移す。そこには割れた食器があった。


少し高そうな高級感漂う皿で、どう言う訳で落としたのか検討もつかなかった。何故なら食器などは、ちゃんと食器棚に入っていて今は開いていない。


「なんで落としたの?」


「そ…それが…」


☆回想☆


「すごい広いなー、大型のテレビが壁に掛けてあるし!」


周りを見回る→そして暫くグルグルとテーブルの周りを回る。


「うわっ!」


テーブルの足に(つまづ)き、二・三歩よろける→そして目の前にあった食器棚を開けて、一枚の皿に手が触れて落ちる。


「ああー…」


落ちた皿を見下ろして、とりあえず食器棚を閉める→そこへ丁度、春香が来た。


☆回想終了☆


「まあ…そんな感じ?」


「そんな感じじゃないよ…人の家の食器落とした時のリアクションだけ薄っ!」


「だって落としちゃったらああー…じゃない?」


「じゃない?と言われても…」


走って来る音がして振り返ると秋と夏騎が驚いたような慌てた表情であたし達を見た。そして夏騎があたしの元まで来る。


「大丈夫?怪我とかは?」


「いや…あたしじゃ…「どこも怪我してないみたいだね。良かった…」


この人…あたしの話聞かないよ…でもそれだけあたしの事心配して…ってなんでちょっとトキメいてるんだ…。困って冬音の方を見ると冬音は秋に謝ってから皿を片付ける所だった。


「素手で?」


「え?」


驚いた顔をして自分の手を見て、苦笑いをしながら冬音は秋に軍手を借りた。どうしたんだろう?冬音、自由人っぽいけど…しっかりしてるのに…。


なんとなく違和感を感じながらもあたしも皿を片付けるのを手伝った。




細かい破片を掃除機で片付けて、あたし達は一息吐いた。


「冬音が割ってごめんね?高そうだったけどいくらなの?」


「確か…五万位だったと思うよ?」


夏騎が言ったその値段にあたしは絶句した。皿一枚に五万もかけるなんて…さすがお金持ちと言うか…なんと言うか…。


「そんな高い皿を…」


「母さんは皿が多すぎて困るって愚痴を零してたから、そんなに怒られないよ」


そう言って夏騎はあたしの頭に手を置いた。今日の夏騎は、なんだかあたしに優しい気がするけれど…それはあたしの気のせいなのだろうか?


「そもそもテーブルの近くに食器棚があるのがおかしい」


「おかしくないよ、取りやすく近くにあるのが当たり前だし便利だよ」


腕を組み、納得がいかないと言う顔で冬音は立っていた。今のは完全に食器を割ってしまった事への八つ当たりだ。


それから暫くの間、雑談をしてあたしと冬音はそれぞれの家へ帰って行った。振り返った時に見えた、冬音の背中が…とても悲しそうに見えたのは…あたしの気のせいだったのだろうか?


今日は気のせいが多いなー…。そんな事を考えながら家に帰って行った。


翌日、冬音があたしの部屋にやって来て部屋の掃除を始めたのだけれど…。やっぱり気になってたんだ…。







                          続く*

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