永遠にしりとりしていたい!~異世界SP~
私、カナ・ミハラは、どこにでもいるようないたって普通の町娘。
隣の家に住むクン・シマヂのことが好きなんだけど、想いを伝えるなんて難しいから、友達みたいな関係を続けているんだ。
シマヂは毎朝家の周りをぐるぐる走ってるから、その時間帯に家周辺を歩いていれば、大抵上手く会えるんだ!
それにしても、早朝の匂いっていいよね。
ほんの少し湿気があるような。それでいてひんやりとした肌触り。水の匂いと花の匂いが混じって、鼻の奥にじんわりまとわりつくような、そんな香りが私はすごく好きだな。
「おはよ! シマヂ!」
「あ。おはようミハラ。今日も散歩?」
「ええそうなの」
「朝に強いタイプなんだね」
「そうね……ええ、まぁ」
シマヂに会うために頑張って早起きしてる、とは、言えないね。
「じゃあ早速今日も……」
「しりとり、だよね?」
「うん! せっかく会えたんだし、しようよ!」
「いいよ」
こうして始まるしりとりの時間。
「じゃ、こっちからいくね。パンケーキ、だね」
「緊張!」
「馬小屋、だね」
「休みの日!」
「秘密結社、かな」
シマヂと過ごせる時間の愛おしさ。
それはどんなものより大きい。
生きている中で最も幸せな時間と言っても過言ではないくらい。
だから私はこういう共に過ごせる穏やかな時間を大切にしたい。
「しゃ、か……しゃ……社会人一年目!」
「面倒な人、かな」
「トンボ!」
「ボール投げ、とか」
「玄関口!」
「鎮魂の歌、とか」
「魂!」
「今、だね」
「マント!」
「扉、だね」
未来のことなんて分からなくても。
幸福は確かにあったのだと覚えていよう。
「ラッキー!」
「近視、かな」
「シリアス!」
「隙間、かな」
いつかそれが私を支えてくれるはずだから。
「夏休み!」
「未来、とか」
「息をする!」
「ルーレット、とか」
「時の流れ!」
「連帯、だね」
「意味のない行動!」
「羨む、だね」
「虫の群れ!」
「う、うわあ……レインボー、かな」
「ボタン取れた!」
「玉入れ、かな」
楽しかったこと。
嬉しかったこと。
絶対に、忘れない。
◆
――って、夢か!!
「寝るなよ三原~」
「すみません……」
しかも授業中だった。
◆終わり◆




