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言葉が当たり前の世界で、音楽がなくなったらどうなるだろう。

きっと人々から勇気がなくなる。

自信がなくなる。

そして、希望がなくなる。

音楽はそれほどまでに大事だと、私は思う。

「おはよう。」

当たり前の挨拶。これが言える相手がいるのはどんなに幸せなことか。

私は理解している。

「おはよう。朝ごはんできてるよ。」

優しい母がいることがどれだけ幸せか、私は理解している。

「今日発表なんだって?頑張れよ。」

「うん。ほどほどにね。」

冗談が言える父がいることがどれだけ幸せか、私は理解している。

「行ってきます。」

これは「ただいま。」とセットだということを、私は理解している。

「ただいま、もう、どこへも行かないよ♪私はここにいるよ♪だからね、あのね、泣かないでね…うーん、違うなぁ…。」

歌うことが好きな私は,いつも独自の歌詞を作っては、自分でメロディをつけて歌ってみる。でも、いつも違うな、と思う。

「み〜なせっ。何してんの?」

彼は幼馴染の久藤くどう さら

可愛い声をしておいてこいつは男だ。

ただの腐れ縁。

「別に。あんたには関係ないでしょ。」

いつものように冷たく返してみる。彼はいつも決まって悲しそうな顔をする。その顔が面白くて、揶揄いたくなってしまうのだ。

「いっつも教えてくれないのなー。」

頬を膨らませて怒る姿はお子ちゃまである。何年経っても弟のような存在だ。実はこいつの方が年上だと気づいたのは、ごくごく最近のこと。

「……あ、俺今日体育なのに体操着忘れたわ。水瀬みなせ、貸してくんね?」

登校中に言うことだろうか。私は呆れながら「はいはい。」と返す。良かったな、男女で違う体操着ではなくて。男が青、女が赤という時代もあったらしいが、今はどちらとも青である。

「私の体育2時間目だから、それ終わったらね。」

そう言って違う教室へ向かう。

こんな様子も、もうすぐ一年経とうとしている。

音遠ねおんおはよ!」

彼女は友達の早川はやかわ 真紀まき。私の趣味も理解してくれるいい子だ。

「おはよう、真紀。」

私は趣味が趣味なので、友達が少ない。真紀以外にほとんど友達はいない。

趣味、歌詞を書く。

特技、声の演技。

そんなもんだから、私はただの変人のように扱われる。


家に帰ったらまず真っ先に、歌詞を書く。今日思ったことや、出来事を文字に起こすことで、今日の私も救われる気がするのだ。

その言葉を歌詞にするには、音楽にするしかない。私は歌うことが好きだ。だから、それにメロディをつけて歌ってみる。そうすると、その言葉達は生きている気がするのだ。

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