96話 人を守る勇敢さ
私たちは長がいる建物に入って長がいる部屋の前に案内された。
「失礼します」
「うむ」
ドアが開くとそこには30代ぐらいの男の人が座っていた。
「それで勇者の神殿に向かいたいという連中がこいつらと」
「はい」
リョウはどうして最初の勇者の神殿に行きたいか説明し始めた。
「まず俺は勇者としてこの世界に転生してきた。だけど俺はそこらに居るスライムにも負けていたが戦いを続けていくことにスライムに勝てるようになったんです!それで仲間たちが俺に最初の勇者の紋章を渡そうと努力してたんです!」
「それでお前は本当に勇者なのか?証明できるものはあるか?」
「それは無い、そもそも証明する方法が分からないんだ」
その時あの女性が私に他の仲間に聞こえない声で耳打ちをしてきた。
「これ以上声を出さないでください」
私は行ってる意味が分からずに頭の中がハテナだらけだった。
「いいか、勇者は3つの信念のもとに動く。一つは人を守る勇敢さ、一つは悪を裁く冷酷さ、一つは弱った者に対する慈悲だ。これから行うのは勇者に見合った奴か見極める試験だ」
そして長が立ち上がると私の体をなぞりだした。
「っ……」
「それにしてもこの女……体の形がいい……」
(何だこの男……後で叩きのめしたろうか)
そしてあの女性も舌打ちするような発言をするのだった。
「あの秘書よりいいのかもなぁ」
「チッ」
あの女性の大きな舌打ちが部屋中に響いた瞬間、リョウが私を触っている長の手を抑えた。
「やめてください、街の長でもこれは許されませんよ」
「ほぉ~この街の長に楯突くなんて……勇者の神殿に行けなくなってもいいのかな?」
リョウは間髪入れずに答えた。その時私はこの質問の意図を理解した。
「ええ、仲間に手出しされるのはさすがに勇者じゃなくても怒ります。ですのでもういいです」
(もしかして勇者に必要な人助けの資質を試しているのか……?それかただの変態か……へぇ……後でめちゃくちゃにしてやろう)
「瑞希さん、マーチャさん、ムート、帰りましょうか」
「ああ……わかったのじゃ」
私たちは部屋を出ようとすると後ろで長がこういった。
「待つのだ。お主は人を助ける、そのことについて躊躇が無いということが分かった」
「急に引き留めてどうしたんだ」
「合格だ。この紙を持って神殿に向かうがよい。だが力が足りなければそこで死ぬだろうがな」
「合格ってそんな急に言われても……」
「そう言わずに受け取ってくれ……」
そう言う長は何か震えていた。
「どうして震えてるんですか?」
「いやちょっと演技に熱が入ってしまったようだ……」
私も少しだけ不満があるので女性に手を貸すことにした。
「みんな、少し部屋を出てて。後で合流するから」
「分かったのじゃ……」
みんなが出たことを確認すると女性と息が合う動きで長をボコボコにしていった。
「この女性にセクハラをするんじゃねぇ!!」
「何が秘書よりいいのかもだ!!このポコチン!租チン野郎!」
「イデデデデデ!!!!」
そして数十分、長を蹴ったり殴ったりして気分が晴れた。
「あなたたちは神殿に行きなさい。この場は私が片付けしておきます」
「ありがとう……名前聞けないよね?」
私はさらっと女性と仲良くなろうとしていた。
「クシュハイト、覚えておいて」
「私は瑞希、後は頼んだ!」
こうして私たちは最初の勇者の神殿に向かうことが許され、そして私にセクハラをしてきた変態を成敗したのだった。そして私たちは最初の勇者の紋章が安置されている場所に向かうのだった。だがその道のりは決して楽な道のりではなかったのだった。
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