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不運なことが続いじゃって死んじゃったら幸運に宿る神に魅入られ転生したら所持特殊スキル{LUCK}の一つだけだったので私は平和な土地でスローライフを過ごしていきたい!!  作者: 猫こんた
2章 記憶喪失の少年と勇者の運命

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77話 夢の狭間

男の子が目覚めるとマーチャは水を飲ませた。


「喉は乾いてないのじゃ?」

「……ありがと……」


男の子はティーカップで水を飲んだ。


「それで思い出したことはあるのじゃ?」

「……分からない、でもこの人にお姫様抱っこされたのは……思い出した」

「そうか、名前とかは分からないのじゃ?」

「うん……何も分からない」


どうやらアラクネにお姫様抱っこをされたこと以外は思い出せなかったようだ。


「そう言えばアラクネの名前知らないんだけど」

「ああ、こやつの名前はゲデヒトニスなのじゃ」

「どーも」

「それでなのじゃがどうしておぬしはここに住んでるのじゃ?」

「本当は魔王城の下に住まおうとしてたけどそんなことをしたら魔王様に処刑されるので……」

「なら今許可を取ればいいのじゃ」

「そうですよね……魔王様、どうか魔王城の下に住処を作ることを許可してください!!」

「うむ、許可するのじゃ。じゃがこっちが協力してほしい時には協力を促すことがあるのじゃ」


こうしてゲデヒトニスは魔王城の下に住むことが許され、私たちはアラクネの巣の外に出たのだった。


「さてと、これで男の子の記憶探索は振り出しに戻ったのじゃ」

「……あと思い出したことがあるんだ」


急に男の子が思い出したことがあると言い出した。


「何を思い出したのじゃ!?」

「キス……夜……紫の服っていう言葉を思い出した」

「キス……口づけと言う事じゃな。だがどうしてその単語が浮かんできたのじゃ?」


マーチャは男の子にキスをしようとしたが男の子はとっさの判断で目に指を突き立てた。


「ギャァァアア!!痛いのじゃぁぁ!!」

「そりゃ目潰しをされたら痛いでしょ……それに男の子に急にキスなんて……キャー」


マーチャは自身の回復魔法で傷を癒した。


「しかし男の子に拒絶されたのは本当にショックなのじゃ」

「意味が分からない……」

「何か違う……」


男の子は顔をしかめながらマーチャを睨んでいた。そして転移魔法で家に帰るとマーチャは家の前で座っていた。どうやら相当のショックを受けている様子だった。


「マーチャ……」


すると男の子が優しく隣に座った。


「……ごめんね、目大丈夫?」

「大丈夫なのじゃ……しかし心配してくれたありがとうなのじゃ~」


マーチャは涙を流し、男の子を抱きしめた。


「うぅ……」

「ありがとうなのじゃ~」

(マーチャと男の子は仲がいいんだな、声をかけないでおこう)


こうして振り出しに戻ったかのように思えた状況だったが男の子が発した単語「キス・夜・紫の服」と言うのは何なのか、これから判明させていかなければならないのだ。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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