74話 手ごたえ
私は男の子の記憶を呼び覚ますために行ったこと、それは料理だ。料理で何か思い出せることが無いか確かめた。
「おあがりよ!」
「……分厚い」
男の子は分厚い肉を必死に噛んでいた。
「ぐぐぐう」
「何か思い出せることはある?」
「美味しい……」
「美味しいだけかぁ~」
どうやら記憶を思い出させるのは一筋縄ではいかないようだ。そして男の子は料理を食べ終えると階段の隅に大人しく座ったのだった。
(これは一歩ずつ信頼を深めていかないといけないな。むやみに接触をしたらダメだな)
するとグリュックが男の子に近づいて行った。どうやら気になったようだ。
(グリュックが男の子と話そうとしている、だけどグリュックは話せない……一体どうするんだ)
グリュックは男の子の横に座った、男の子は急にやってきたグリュックに警戒をしていたがグリュックは黙っていた。
(何だこの間は……とてもじゃないが私だと耐えれない……)
「何?」
男の子が声を出した、だがグリュックは筆談でしか話せない。
「話さないのか?」
{話せない}
「どうして話せないんだ?」
グリュックは口を開けた。
「温かくなれ」
「何だこれ……急に温かく……」
(私まで温かくなって来たなぁ~)
グリュックの言霊で辺りの空気が温かくなった。
「これって一体どういうことだ?」
{私の魔法}
「魔法なのか、とてもいいな」
どうやらグリュックと男の子は意気投合しているようだ。
(凄いな……年齢は同じように見えるから意気投合しやすいのか、それとも何か感じる物があるのか……一体何なんだ?)
そしてグリュックが離れ、男の子一人になるとなんだか寂しそうにしていた。
(少しだけ話をしてみてもいいかもな)
「ねぇねぇ、大丈夫?」
「……少しだけ落ち着いたかもしれない」
「落ち着いたなら何より、聞きたいことがあるんだけどいい?」
男の子は首を縦にも横にも振らなかった。
「覚えている事って何も無いの?」
「何もない……どこから来たのかも」
(言ってることは本当のようだな……記憶を呼び覚ます方法は生活をしていたらふとした時に思い出すんだよな……)
私は男の子の体を見た。
(見た感じこの世界の子だとは思うんだけどな……もしかしたらダンジョンに連れて行ったら何かわかるのか?)
私はこの男の子がこの世界の住民ならダンジョンがトリガーになって記憶を呼び覚ますのではと思った。
「ちょっと私と魔王と一緒にダンジョンに行かない?もちろんあなたを守る」
「ダンジョン……行ってみたいかも」
「よし、ならマーチャを呼んで行ってみるか」
私はマーチャを探し、ダンジョンに行こうとした。そこで私の{LUCK}がまたしても縁を引き寄せるのだった。
最後まで見てくれてありがとうございます。
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