72話 美味しいお肉と老いても美しい体
夜が深くなっていき静かな風と焚火の火が感じられる中マーチャが作っていた料理が出来たようだ。
「肉の丸焼きだけど許してなのじゃ」
「大丈夫、調味料を持ってきてないからね」
「調味料は塩と胡椒を使ってるのじゃ。ないよりあった方がいいのじゃ」
私は肉の丸焼きを口に運んだ、すると溢れる肉汁と程よい塩と胡椒で私の口からよだれが溢れていた。
「これ凄くうまい」
「のじゃ~それじゃ儂も食べるのじゃ」
(グリフォンの肉だから少し警戒してたけどこれなら食べれるかも。なんならこの肉質鶏肉に似てるかも)
「美味いのじゃー!!」
そしてお腹いっぱい肉を食べた私たちはテントを張っていた。
「マーチャは何をしてるの?」
「余った肉を乾燥させてるのじゃ。手軽に食べれるから旅のお供にバッチリなのじゃ」
「へぇ~ビーフジャーキーみたいなものなのか」
「儂は瑞希の言うビーフジャーキーを知らぬから分からないんだけどそう言う事なのじゃ」
私は家に帰ってからマーチャにビーフジャーキを作ってやろうと思うのだった。そしてテントを張り終えて私たちは川の字で眠ることにした。
「そう言えばゲペックは儂と寝ることは初めてじゃの、怒らないから近くに寄るのじゃ」
ゲペックはマーチャから距離を取って寝ようとしていたが魔王の命令で近くで寝なければいけなかった。
「そういえば古代エルフの村にあと1日でたどり着くのよね?」
「予想ではそうなのじゃ。帰る時は転移魔法で飛べるのじゃ」
「転移魔法を使ったら楽だけど初めていく場所だから徒歩で行かないといけないのよね」
「のじゃ。明日の元気をつけるために儂は寝るのじゃ」
マーチャは眠る用で寝袋をきっちり閉めた。
(こう寝るってことは無かったな。なんだかワクワクしちゃう)
私は寝袋を閉じ、眠り始めたのだった。
翌朝、テントの穴から漏れる光で起こされた私は二人を起こした。
「もう朝なのじゃ?」
「ああ、私は太陽に起こされた」
「ちょうど目に太陽が当たる位置だもんね……」
そして私たちはテントを畳み、古代エルフの村に向かって歩き始めた。
「そういえばなんだけどさ、馬車を借りられなかったの?」
「古代エルフは儂らみたいな部外者に排他的なのじゃ、じゃから馬車で行っても途中で馬が射貫かれたりするリスクがあるから借りなかったのじゃ」
「排他的って事は戦闘になることは確定なの?」
「まぁそうなるのじゃ。じゃがうまく会話を運んだら戦闘は回避できると信じてるのじゃ」
そして森の中に入っていきどんどんと木の密度が高くなっていくと周りの音が聞こえなくなってきた。
「静かになって来たね」
「瑞希、ちょっと集中するから静かにしてなのじゃ」
マーチャの気配がじわりじわり増していき、そして警戒のオーラが出てきた。
(マーチャの警戒が増してる……このあたりが古代エルフの村なのか)
「……駄目か」
マーチャは私たちを囲むようにバリアを貼った。すると木の間から矢が飛んできた。
「やっぱり、もうここは古代エルフの敷地と言う事なのじゃ。ここからどうしたら古代エルフたちが話を聞いてくれるか、考えるのじゃ」
「村の前まで行く?」
「それは集中砲火で儂ら射貫かれてしまうのじゃ」
「なら今襲ってきている古代エルフと話をするのか?」
「ああ、とりあえずはこの矢が飛んできている方向に向かって声を出すのじゃ」
マーチャは森の奥に向かって声を出した。
「儂らは敵じゃない!だから攻撃をするな!」
マーチャの声だけが森の中を木霊した、だが矢が止むことは無かった。
「こりゃ儂らを絶対的だと思ってるのじゃ。こうなればどう言っても聞かないから儂が行ってくるのじゃ」
マーチャは私とゲペックにバリアを残しながら森の奥に消えていった。そして数分後森の奥から女性の悲鳴が聞こえてきた。
(マーチャは古代エルフを攻撃してるのかな、だとしたら村に入ることって難しくなるのじゃないの?)
そしてマーチャは古代エルフを脇に抱えて帰ってきた。
「帰って来たのじゃ」
「脇に抱えてるのって古代エルフ?」
「のじゃ、とりあえず説得は今からするのじゃ」
こうして私たちは古代エルフに安全に村に入れるように頼み込むのだった。
「儂ら古代エルフの村に入りたいのじゃがどうして入らさせてくれないのじゃ?」
「我らは部外者を拒む、それ以上でも以下でもない」
「そこを何とかならないのじゃ?」
「ならぬ」
マーチャは困り果てていたが私は生き物の弱みを狙った。
「記憶喪失の男の子の記憶を呼び覚ましたいんだ、お願い?人を助けるつもりでね」
私は古代エルフの下から頼み込んだ。
「ぐぐぐ……」
古代エルフはとても苦虫をかみつぶしたような顔をしていた。
「お願い?」
ここで私はとどめの慈悲に付け込むお願いをした。
「分かった、一度長と話し合う。だからここで待っていてくれ」
「分かったのじゃ」
こうして古代エルフは私たちをここに残して長と話に行ったのだった。そして古代の知識はとても役に立つ情報ばかりだったのだ。
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