69話 手紙
翌日、玄関を開けると地面に置かれていた手紙に気が付いた。
(この手紙はいったい誰宛てなんだ?)
宛名を探すと私の名前とマーチャの肩書が書かれていた。
(これはマーチャと一緒に読んだ方がいいかな)
私はマーチャの部屋に入るとマーチャはまだ眠っていた。
「マーチャ、朝だよ~」
「ンムムグ……そうなのじゃ?」
髪の毛がボサボサなマーチャは目がまだ開いてなかった。
「手紙が届いてたんだ」
「そうなのじゃ?見てみるのじゃ」
私はマーチャに手紙を渡した。そしてマーチャは朗読し始めた。
「親愛なる瑞希様と魔王様、先日の件ではお世話になりました……もしかしてヴェルメ王が書いたのじゃ?」
「多分そうだね」
「ウンエントリヒ王国の処遇は我が国に任せてもらいます、そしてこの関係が一生続くように努力します……って書いてあるのじゃ」
「つまりそれってお礼とこれからの決意表明って事なのね」
「のじゃ、まだまだ子供なのに達者な文章を書くのはとても賢いのじゃ」
マーチャはその手紙を引き出しに収納した。
「さてと、新しい一日の始まりなのじゃ。儂は一度魔王城に行ってきちんと魔族が働いているか監視しに行くのじゃ」
マーチャはそう言って転移魔法で魔王城に向かった。
(さてと、これからは平和に過ごせるのか。平和を手にした時にやりたいことが無くなるのはいったいどうしてなんだ?)
こうして私たちは一時の平和を手にした。だがもうすでに次の種は蒔かれ、発芽しようとしていたのだ。
同日某所にてとある商人が平原を歩いているととある男の子を見つけた。
「分かった?」
「……分からない」
「声は出せるようだね、だけどここで何をしてたんだ?」
男の子は頭に手を当て、今まで何をしていたのか思い出そうとしていた。だがいくら思い出そうとしても全く思い出せなかった。
「分からない」
「君の名前は何だ?教えてくれるか?」
「それすらも分からない……」
男の子は極度の不安や緊張で髪の毛をにぎにぎしていた。
「ここで何もしないのは危険だ、一緒に商人ギルドに行こうか」
「商人ギルド……ですか」
「ああ、知っているか?」
「知らないです……全く知らないです」
「そうか、馬車に乗れ。近くにある商人ギルドに向かうぞ」
男の子は商人の馬車に乗り込み、荷物と一緒に揺れながら商人ギルドに向かったのだった。そしてこの男の子と私たちが相まみえると新たな物語が始まる予感がするのだった。
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