58話 紫の蝶
数時間後、紫の蝶の装飾を施した人が家の前に訪れた。
「ここが魔王の居る場所ですか……普通の家ですね」
来客に気が付いた私はグリュックを引きずりながら声をかけた。
「あの~あなたはいったい誰なんですか?」
「ああ、私はシュメッターリングと言う者だ。それで魔王はここに居るかい?」
「マーチャですね、少し待っててください」
私はマーチャを呼びに行った。
「マーチャ、客人が来てるよ」
「誰なのじゃ?」
「シュメッターリングって言う人」
「知らない人なのじゃ……」
玄関前に出るとシュメッターリングは頭を下げてきた。
「私の妹を救ってくださりありがとうございます」
「妹……?どなたなのじゃ?」
私たちは知らない事を言われて頭がぐちゃぐちゃになった。
「先ほどダンジョンで女冒険者を救助しましたよね?その姉です」
「……あの女冒険者の姉!?」
「はい、妹は重度のメンタルブレイクで冒険者に復帰するのは難しい状況です。ですが世界で一人だけの妹を助けてくださりありがとうございます!!」
「儂らはただ洞窟に潜ってゴブリンを討伐しに行こうとしたらおぬしの妹さんが襲われてたから助けただけなのじゃ」
「本当にありがとうございます……」
シュメッターリングは私とマーチャに感謝を伝えた後、帰っていった。
「わざわざ感謝に来るなんて、人間も優しい奴がいるのじゃ」
「だね、しかしあの女冒険者はもう冒険者に戻れないのか」
「仕方ないのじゃ、自分のせいで仲間が死んだとか追いつめると心が病んでいくのじゃ」
「だよね……でも妹さん助かってよかったな」
私とマーチャは家の中に入っていった、私は小腹が空いたのでビーフジャーキーを食べることにした。
(このビーフジャーキー味付け無いのにこんなにおいしいのか……発酵でうま味成分が生まれてるのか)
「瑞希、ちょっといいのじゃ?」
急にマーチャが私の後ろに来た。
「どうしたの?」
「休憩中じゃった?冒険ギルドに行こうなのじゃ」
「戦いの後は休憩をとった方がいいの、マーチャも少し休みな?」
「のじゃ……」
こうして再び冒険ギルドに向かう出来事が生まれたのだった。そして私とマーチャが受けるクエストで生命の神秘が見られるのだった。
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