48話 これもまた縁
私はマーチャの話し相手を終えると外に出てきた。
(しかし下の街はとても平和そうだな。戦争中なのに平和に過ごしているのは本当にいいね。それにオルドヌング王国はウンエントリヒ王国と繋がってる街には攻めにこないのね)
そんなことを思いながら空を見ていた。すると私の顔を覗いてくる人が一人いたのだった。
「……誰?」
「ここっていったいどこなんだ?教えてくれよ」
私は顔を覗いてきた人の全体を見た、頭には角が生えており、服やズボンは黒を基調とした感じだった。
「……もしかしてだけど悪魔?」
「そうだけど?つぶあん最高」
私の頭が一瞬止まり、そしてラックが現れた。
「瑞希元気にしてた~?……なんで悪魔がいるのよ~!?!?」
「ラックの反応からすると悪魔ってのは確定なのね……でもどうしてそんなにビビってるの?」
ラックは私の服の中に入って悪魔から目線を切った。
「だってこの体だと噛み終わったガムのような力しか出ないんだよ!!!だから悪魔ー!!私を引っ張るな―!!」
悪魔は私の服を引っ張ってラックを握ろうとしていた。
「あれ、どうして握れないんだ?」
「あなた、とてもアホなのね……服越しだから掴めるわけないじゃないのよ」
「それに体中を動き回るから掴めない……」
すると家からマーチャが出てくると私と悪魔がイチャイチャしている場面を見るのだった。
「瑞希!?どうしてつぶあん派閥がここにいるのじゃ!?」
「悪魔族だけどなぁ……確かに魔族と悪魔族が仲が悪い理由はつぶあんこしあん論争だけどさ……」
マーチャは悪魔に飛びつき頬をつねった。
「瑞希に手を出すななのじゃ―!!」
「魔王がどうしてここに居るんだよ!?あたいは負けねーぞ!?」
(なんだか醜い争いだな~それに魔王はこんな泥臭い戦いしちゃだめでしょ)
そしてマーチャは悪魔を絞め落して悪魔を気絶させた。
「ふぅ、とりあえず数分は気絶させることはできるかな。それでどうしてイチャイチャしてたのじゃ?」
私の服の間からラックが出てきた。そして魔王が目の前にいるのに気が付いたのか私の頭の後ろに隠れた。
「ひぃぃい」
「これだけで何となくわかったのじゃ、ラックが服の中に隠れていて悪魔を掴もうとしていたという事なのじゃ?」
「怖かったよぉお」
「全く、どうして悪魔がここに居るのじゃ?天使族のラックが答えてくれなのじゃ~」
「多分だけど天使の誰かがやらかしたのかもね……この事は天使族に周知させておくから安心して。そしてこの悪魔は送り返しておくね」
ラックが悪魔を地底に送り返そうとしていたが私は止めた。
「特に放置してても無害だと思うんだけど送り返さないと駄目なの?」
「それは言いにくいんだけど……もしかしてこの悪魔を残しておきたいの?」
「残しておきたいね、どうせこの悪魔はマーチャに抑え込まれるし放置してたら魔族と悪魔族との仲が良くなるかもしれないしね」
「種族間のいざこざが無くなるのは私たちに利益があるな……よし、ここに残しておこう。だけど人間やその他の種族に迷惑をかけたら地底送りって事で。私は職務に送るかぁ」
ラックが消えると同時に悪魔が目が覚めた。
「あれ、あたいは魔王に絞め落された……って天使族のやろーはどこ行った!?」
悪魔はラックが消えたことに気が付きどこに行ったか探した。私はラックの事を言った。
「あの天使族は私の知り合い、ラックはもう帰ったよ~」
「そうか……」
「それでなんだけど……私たちと一緒に住まない?じゃなかったら地底送りだけど」
「地底送りだと!?それだけは嫌だ!悪魔族だけど恐怖の場所だぞ!?」
どうやらラックが言っている地底は悪魔族でも恐怖を感じるような場所らしい。そして悪魔は壊れた人形のように首を縦に振った。どうやら地底は嫌でも行きたくないようだ。
「よし、あなたの名前を教えて」
「あたいは……フェルヴィルトだ、よろしくな!」
「しかし儂ら魔族が敵対してる悪魔族を家に迎え入れるとは……瑞希は儂ら魔族と悪魔族の中を良くしようとしてるのじゃな」
「そうだね、マーチャはどう思ってるの?」
「……フェルヴィルトよ、饅頭は何派だ?」
「もちろんあたいはつぶあんだ!」
「一生分かり合える気持ちがしないのじゃが……家に招かれた事、それは歓迎するのじゃ」
マーチャは渋々フェルヴィルトを受け入れたのだった。そして近い将来、魔族と悪魔族との関係が良くなることを祈るのだった。そしてオルドヌング王国とウンエントリヒ王国の戦争は魔族が介入したことによって優位に盤面が進むのだった。
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