40話 スタッフ作りの最後の材料
ヴァイスは出来立てほやほやのフライス盤を操作してみた。
「ガタガタなのは仕方ないとして凄い高性能な物を作れたな」
「ああ、少々ガタつくが気にしないでくれ」
「それじゃ帰り送るよ。瑞希はそこで待っててね」
ヴァイスはドラゴンになり、寡黙な人を背中に乗せて飛んでいった。
(しかしこのフライス盤があればいいのかな?)
そして数十分後、ヴァイスが帰ってきた。そして私たちは最後の作業としてエーテルを持ってきた。
「これで削れるといいんだけど……どうだ?」
ヴァイスはエーテルを固定して削り始めた、するとエーテルは少しずつだが削れていた。
「すごい、削れてるぞ!?」
「おおっ、タングステンで削れるのか」
「ヴァイスってこういう徐々に削れるのって好きなの?」
「ああ、硬い物質が工夫をしたらこんな簡単に削れるのは快感なんだよ……」
そしてエーテルはヴァイスの手で綺麗な結晶の形になった。
「よし、これだけを作るためにフライス盤を造ってもらったんだ」
「このエーテルを削るためだけに!?」
「そうだ。あとは持ち手となる部分を作ってこれをハメるだけ。簡単でしょ?」
「簡単だけど持ち手……例えば木とか?」
「そうだね、実際はどんな木でもいいんだけど最適なのは魔力を吸った木だね。魔力をよく通してエーテルに魔力を伝える役割を持たせる」
「ならその木を採りに行こうか」
「そうだな!今すぐ行くぞ!」
ヴァイスは乗り気でドラゴンに化け、私は背中に乗った。
「それじゃ、行こうか」
ヴァイスは飛び上がるとエーテル地域の方角に向かっていった。
(何だろう、エーテル地域の方角って魔力が集まりやすいのかな?)
私は魔力が北か南に集まるのかなと考え始めた、だがそれを立証する手立ては無いだろうと思ったのだ。そしてヴァイスが降り立った地域、それは森が生い茂っていて木の葉の色が若干青色になっている場所だった。
「ここが魔力を吸った木の群生地。なんだか心が休まるでしょ?」
「確かに心が休まる、魔力の木は心を落ち着かせるリラクゼーション効果があるのかな?」
「そうだろうな。それじゃこの木を一本拝借しようか」
私たちは魔力の木を伐り始めた。ヴァイスは持ってきた斧を使って木を切り倒そうとしていて私は木が折れないように抑えていた。
「そろそろ倒れるかな」
「ゆっくり倒してね」
木が倒れ始めると私は狙った方向に向かって木を倒した。
「よし、これを使いやすいサイズにして持って帰るぞ」
「分かった、でもこの木ってなんだか軽かったね」
「そりゃ水の代わりに魔力を吸ってる、だから水分の重みが無くて木だけの重みだけが感じられるんだ」
「なるほど、なら私でも軽々と持てるのかな?」
「いやそれは出来ないと思う」
私は加工しやすいように枝を木から切り離していき、そして持ち運べる程度の重さにしたのだった。
「それじゃヴァイス、ドラゴンの姿になってね」
「分かった、乗せるときはゆっくり」
「あっ。そう言えば私も転移魔法を覚えてたんだった」
「ズコー」
私もマーチャのようなへっぽこをかまし、そして私とヴァイスは木を持って転移魔法を発動させた。
「あなたもマーチャのようにアホなのね」
「アホじゃないよ」
こうして私とヴァイスはスタッフの持つ部分となる魔力を吸った木を採取し、これでスタッフの材料がすべて揃った。そして私とヴァイスは最後の仕上げを行うのだった。
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