39話 金銀銅
翌日、早朝から私たちの作業は始まったのだった。
「ヴァイス!あとこの金の延べ棒は何個作らないといけないの!?」
「あと3本かな、だけどこれは加工しやすいようにする作業だからね!まだこれは序の口だぞ!」
{あつあつ}
最初に私たちは鉱石を延べ棒にしていく作業をした、そしてすべての延べ棒が出来た時はもう正午を過ぎていた。
「ここからは私の知り合いの転生者を連れてくる。その人にすべて任せる」
「そんな簡単に連れてこれるの?」
「大丈夫、連れてくる対価に私の鱗をあげるって言うから」
ヴァイスはどこかに飛んでいき、私たちは朝方の作業で消耗した体力を少しだけ回復していった。
(ヴァイスの知り合いの転生者か、話が合うのかな?)
同じ転生者なら何か共通の話題があるのだろうと考えていた。そして数時間後、ヴァイスが人を乗せて帰ってきた。
「帰って来たぞ、それでこの人が前話した材料を加工する機械を作る転生者」
「よろしく」
ヴァイスが連れてきた男はなんだか寡黙な人だった。
「よろしく……あなたが材料を加工する機械を作る転生者なのね」
「そうだ、フライス盤を作ってやる」
そう言って用意した材料を見た。
「……油はあげる、だが消耗品だからな。作らなければならない」
「油……か」
「そうだ、こういう機械加工は油が命だ」
そう言って寡黙な人は必要な物を加工していった。
「0からフライス盤ってのは作れるのね」
「そうだな」
(なんだかこの人口数が少ないな。どうしてこんなに少ないんだ?)
私は転生者ならというワードを出した。
「あなたって転生者なのよね?」
「そうだ」
「私も転生者なのよね。あなたはどうして死んだの?」
「……機械に跳ね飛ばされた」
「私はトタン屋根と一緒に飛ばされて失血死しちゃったよ」
その話に寡黙な人はドン引きしていた。
「どうしてそんなにドン引きするのさ~」
「不運すぎるな」
そう言っている間にも寡黙な人は部品同士を計測して組み立てていった。
「どうしてそんなに組み立てが速いの?」
「転生前に造ってたからな、経験だ」
そう言っている間にも寡黙な人はフライス盤の基礎となる回転部分を作っていた。
「回転部分に貴重なタングステンを使用した。後は材料を固定するテーブルのみだ」
「凄い、一時間はかかってない」
「そうだ、魔法も併用しながら作っているから時短になる」
(魔法を使ってたんだ……でもどんな魔法を使ってたんだ?)
私には分からない魔法を寡黙な人は使っているようだった。そしてあっという間に固定するテーブルを作り上げた。
「これでフライス盤の基礎を作れた。仕事はこれで終わりだ」
「助かったよ!ありがと」
「ああ、使い方はこのボタンを押して回転数を決める。そして回転させるときはこのレバーを下に、電力が供給されて回転するから」
「ヴァイスに聞かせた方がいい気がするんだけど」
「そうだな」
こうして私たちはフライス盤という機械を手に入れたのだった。だが私には使い方が難解すぎてヴァイスに操作してもらうのだった。そしてこのフライス盤でエーテルを削り、いい感じの結晶を作ってもらうのだった。




