34話 毒々しいポーション
無事に家に帰ってきた私たち、早速フェアシュタントが周りを見て回った。
「うん、空気は綺麗で不純物が入らなさそう。そして気温が程よいからポーションの保管に適してるね。欲を言えば冷蔵庫が欲しかったけど」
「冷蔵庫なら家にあるけど?」
「おっ、なら話は早い。ポーションを長期間保存できるからね」
(ポーションを冷やしたらキンキンになるな、飲んでみたいな)
早速ヴァイスはマーチャに建物を作ってもらうように頼み込んだ。
「すまない、ポーション醸造施設を作ってくれないか!?」
「いいけど簡易な建物になるのじゃ」
「風通しが良ければいいぞ!」
「……こいつ誰なのじゃ?」
マーチャは初対面に馴れ馴れしいフェアシュタントを指さした。
「こいつはフェアシュタント、エーテル目的で私たちについてきた奴だ」
「なるほどなのじゃ……一応儂は魔王なのじゃが……素材にされないのじゃ?」
「いや、寝てる時に皮膚の一部や体液の一部を貰うかもしれないよ~」
「怖いのじゃ!?部屋のドアに鍵ってあったのじゃ!?」
マーチャはフェアシュタントの狂気が別の意味で怖くなってビビり散らかしたのだった。
「でも魔王を使うポーションなんてないですから安心してくださいよ。新しいポーションを作る時にはお世話になるかもしれませんが」
「怖いのじゃ!?」
そんなことを言いつつマーチャはポーション醸造施設を淡々と魔法で作っているのだった。
「でもこんな大量の研究道具、使えるの?」
「使えるさ!使わない研究道具もあるけどね……」
(大丈夫なのか?このエルフは……)
そして簡易なポーション醸造施設が出来た。
「後は内装だけどそこの知識が皆無じゃからヴァイスに頼むのじゃ~」
「そりゃマーチャはポーションを醸造したことないからね……仕方ないか」
ヴァイスは設計図を書き始め、フェアシュタントの要望を書き足しながら理想的なワークベンチが出来始めていた。
「水は魔法か湧き水でなんと関してね」
「分かった、しかしこの試験管を入れるスペース、いいね」
棚には試験管がすっぽりと入る穴が出来ていたのだった。
「通気性抜群、日光の光は場所によっては入るか、完璧な場所じゃんか!」
「なら作ってほしい物があるんだフェアシュタント。エーテルポーションを作ってほしいんだ」
「私にエーテルポーションを作らせたいから仲間に入れたんでしょ、いいわよ」
私はフェアシュタントにエーテルを渡し、何をするのかと思えばエーテルを削って小さな欠片にした。
「エーテルは確かに硬い、だけどどこかが原子同士の結合が悪い場所がある、そこを狙えば簡単にエーテルから欠片を採取できるんだ」
フェアシュタントは私にエーテルの欠片を見せてきた。
「小さくなったエーテルはお菓子のように脆くなる、つまりこの金属製の乳鉢で砕いたら粉になる。これを吸ったら面白い世界にイけそうなんだよね」
「吸ったら多分エーテル汚染が進むね、そして死ぬと」
「そう、だから水を入れた試験管にエーテルの粉を入れる。そして最後の行程でホワイトドラゴンの鱗がいるんだけど……持ってる?」
「いや持ってないね」
「なら採ってこないといけないね。私は待ってるから採ってきて」
「……今から?」
「うん」
私は静かに醸造施設を離れ、ヴァイスに声をかけた。
「ホワイトドラゴンの鱗ある?」
「鱗は今手元には無いな、もしかして要求されたのか?」
「そうだ、どこに置いてあるかわかる?」
「私の部屋にたくさんストックしてある、1枚や2枚取っていっていいぞ」
「ヴァイスありがと」
私はヴァイスの部屋に入り、袋に入っているホワイトドラゴンの鱗を持って醸造施設に向かった。
「持ってきたね、なら今から最後の調合をするぞ」
ホワイトドラゴンの鱗を乳鉢で粉々にすると試験管に入れていった、するとピンク色の危なそうな液体が出来たのだった。
「出来た、臭いを嗅いでみて?」
私は言われた通りに臭いを嗅いだ、すると私の鼻はひん曲がり、急に苦しくなった。
「気持ち悪っ……」
「確かに臭いは凄いね、でもこれの臭いの主成分はエーテルだし仕方ないね」
こうして私たちはエーテルポーションを作ることに成功したがとんでもない悪臭を纏っておりこれを飲むのかと想像するだけで気分が死にそうだと思うのだった。
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