33話 賢いエルフ
エーテルを無事に持って帰る道中、私は上空からでも目立つような火事を見つけた。
(あれって火事だよな……森に囲まれてるから延焼が凄いことになりそうだな)
「ヴァイス、ちょっと右前で起きてる火事の場所に向かって!」
私はドラゴンに声をかけ、火事の現場上空に着いてゆっくりと飛び始めた。
(ここからウォーターで消せるのかな)
私はウォーターで火事を消化しようと試みた、すると水が雨のようになっていき火事をどんどんと収めていった。
「おっ、火事がどんどんと消えていってる。いい調子だな」
ドラゴンはどんどんと地上に降りていき、私は火に向かってウォーターを出し続けていった。そして村の全貌が明らかになり住んでいる種族はエルフのようだった。
(エルフの村で火事……何か魔法でも誤爆したのかな?)
私は行ったんエルフの街に降り立ち、ヴァイスも人間の姿になった。
「煙が上がってると思ったら火事だったな」
「ウォーターで何とか火を小さくしたけどまだ煙が上がってるね」
「村人が火事の消火しているな、このままだったら火もいずれ消えるだろう」
するとエルフの村人が私に声をかけてきた。
「すいません、あなたたちが上から水を振らせてくれた人ですかね?」
「そうです、遠くからこの村が燃えてるのが見えたんで消火活動に訪れたんですよ」
「そうですか……本当にありがとうございます」
すると一段と燃えている家からエルフが出てきた。
「こいつがこの村を燃やした犯人です」
「またお前か……お前はいつになったら村を燃やさずにおとなしく居れるんだ!」
どうやら村を燃やした犯人は頭に金属の球をつけたエルフらしい。
「配合は間違ってなかったはずなんだよね……どこで工程を間違えたのかさっぱり……」
「配合……もしかしてポーションを作っていたのか?」
「ポーション……作ってたけどその脇に抱えてるのってまさか!?」
金属の球をつけたエルフは私たちが持っているエーテルに興味津々だった。
「それってエーテルですよね!?もしよろしければもらえないでしょうか?」
「こらフェアシュタント、人の物を貰おうとするな」
(もしかしてこのフェアシュタントって言う人、エーテルを渡す代わりに私たちの仲間にならないかな……?)
私はフェアシュタントを仲間にしてポーションを作ってもらおうとしていた。
「このエーテルは上げる、だけどその代わりと言っては何だけど……私たちについてきてくれない?もちろん研究場所は保証する。爆発しても影響がない場所だ」
「爆発しても大丈夫な場所なのね……おっけー!今すぐ行こう!」
「まだ研究施設で来てないけどいいの?」
「いいのよ!ほら善は急げ!」
そう言ってヴァイスを叩いた。
「フェアシュタントは本当にいいのか?ここを離れても」
「いいのよっ、どうせここに居る人たちは私を腫れ物扱いするでしょ?だから誰もいない場所でのんびり研究するよ」
そう言ってフェアシュタントは家からありったけの研究道具を袋にかき集め、持ってきた。
「まためんどくさそうな奴が来るな……研究台とか作らないといけないじゃん」
「まぁまぁ、その時は私も手伝うからさ。ほらドランゴンの姿になって今すぐ帰ろう」
「……気に食わないけど変身するかぁ」
ヴァイスがドラゴンの姿になり、私とフェアシュタントはドラゴンの背中に座った。
「ホワイトドラゴン!やっぱり白が強い!鱗を捥いで薬剤に入れたらどうなるんだろ~?」
「やめておいた方がいいよ。振り落とされなければね」
こうしてドラゴンは飛び立ち、私たちは家に帰っていったのだった。そして新たにフェアシュタントが仲間になり、エーテル地域を探索するのに役に立つポーションを作ってくれることに期待するのだった。




