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不運なことが続いじゃって死んじゃったら幸運に宿る神に魅入られ転生したら所持特殊スキル{LUCK}の一つだけだったので私は平和な土地でスローライフを過ごしていきたい!!  作者: 猫こんた
1章 転生と生活基盤。そして魔族差別。

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3話 ある意味台風

どれだけ時間が経ったのだろうか、私が起き上がると外は夜になっており部屋が暗くなっていた。


(灯りが無いと見えないな……手探りで外に出てみようか)


私は両手を前に突き出して壁を探していった、そして何か平たい壁を見つけ壁伝いで外に出ていった。


(外は月明かりがあって建物の中よりかはマシだね)


私は周りを歩き何か落ちてないか探そうとした、すると背後で物凄い物音が鳴り響いた。


「……ん?」


振り向くとそこにあったのはさっきまで私がいた建物が倒壊していて瓦礫の中には知らない人がシルヴィアスを締め上げていた。


「ほえぇ……」


倒壊した建物を見た私はさっき思い浮かべていたスローライフの夢が一気に崩れ去る妄想をしていた。


(ああ、私の人生ってこんな事ばっかりなのね)


すると知らない人はシルヴィアスの首根っこを掴みながらこっちに近寄ってきた。


「ひぃぃ」

「……危害は加えたりしない、だがこいつがどうしてこの建物にいるのか聞きたいのじゃ」

「お助けをぉ」


私は両手をぶんぶん振り回しながら防御をしていた。


「危害は加えたりしないと言っているだろう、ただこいつがどうしてここにいるのか聞きたいだけなのじゃが」

「あっ、そうなの?」


私はポンッと顔が変わり、どうしてシルヴィアスがここにいるのか話し始めた。


「今日の昼にやってきて家を建ててくれたんですよ、それでここに住むって決めたらしく……」

「カヒュ……」


シルヴィアスは知らない人に首を絞められてる影響で声が出せず、息が出来ていなさそうだった。


「だからもうその手を離してもらったら……」

「まぁ、自身で決めた事ならいい、だが確かめたいことがある。お前の実力を知りたいのじゃ」


そう言うと知らない人は武器を持ち始めた。


「ひえぇえ」


当然私は武器を持っておらず、素手で戦うことになるのだ。


「では行くのじゃ!」

「キエェエ!!!」


私はとっさの判断で屈むと知らない人の武器が上を通った。


(怖いぃぃい!!!)

「ほぉ、勘だけはいい、それだけは褒めてやるのじゃ」


奴は続けて攻撃してこようとしていたが私は四足歩行で急いで森の中に逃げていった。


「ひぃぃいい!!!」

「こんな人間の走りなどすぐ追いつけるのじゃ~」


知らない人がにっこりとほくそ笑みながら私の後ろにぴったりとくっついていて距離を稼ぐことが出来なさそうだった。すると目の前に倒木で出来たトンネルを見つけ私はそこに逃げ込んだ。


「助かった~って何だこのモフモフ……ウギャー!!!」


逃げ込んだトンネル、そこはオオカミの住処だった。


「失礼しましたぁぁああ!!!」


私はオオカミの住処を勢いよく飛び出したが目の前には知らない人が武器を構えていた。


(ダメだこれ、オオカミから逃げれば斬られるし知らない人から逃げたらオオカミに喰われる……どっちみち死ぬじゃん)


今頃LUCKの効果に頼ったって死は回避できなさそうだなと直感で感じていたが真の幸運はこれからだった。


「どいてどいてどいて!!!!」

「オオカミの群れは一体何なのじゃ~!?!?」


知らない人もこのオオカミの群れに驚くと私と一緒に逃げ始めた。


「どうしてあなたも一緒に逃げるのよ!?」

「儂は野生動物は苦手なのじゃ!!!」

「というかどうして並走して逃げてるのよ!?」

「仕方ないのじゃ……ファイアなのじゃ!」


知らない人は後ろのオオカミの群れに向けてファイアを撃った、だが怯んでいる様子は無かった。


「やっぱりだめなのじゃ~!」

「私武器無いんだよぉぉ!!!」


もう一度言っておく、武器なんて持っていないのだ。当然オオカミと戦えば非力すぎて一瞬で肉になるのだ。


(助けてくれ……シルヴィアス……!)


私はそう願った、するとシルヴィアスが目の前からすっ飛んできた。


「シルヴィアス!!」


シルヴィアスの手にはメイスが握られていた。


「瑞希と魔王様に手を出さないで!」


そう言ってシルヴィアスはオオカミの群れのリーダーらしきオオカミの脳天にメイスを叩きこんだ。


(えっ、ちょっと待って今魔王って言わなかった???)


隣に居る人物、それはまさかの魔王だったのだ!!!


(うわぁ、これは死んだ。うん死んだ)


私は悲壮感全開でその場を切り抜け、オオカミの群れはリーダーがやられたことによって一度住処に逃げ帰っていったのだった。そして私は倒壊した建物を背に土下座をした。


「えーと……さっきは対等に話しかけてしまい申し訳ございませんでした……!」


私は一呼吸入れずに魔王に詫びを入れ、シルヴィアスは横から楚々をした。


「わーお、異世界カルチャーの土下座だ~」


それを見逃さなかった魔王はにっこりと笑いながらシルヴィアスの肩を叩いた。


「お前はそんなことを言う権利無いぞ?月一の集会をすっぽかし、挙句の果てに謝ってる人間を馬鹿にするのか……そう言う奴は一度調()()しないといけないのじゃ~」

「いえそんな楚々はしてないです……はい」

「この場に来て嘘までつくとは……好かろう。お前には特別にすご~い調教という名のお仕置きをしないといけないのじゃ」


そう言って魔王はシルヴィアスを強い力で引きずっていった。


「あっ、壊れた建物はこいつを魔王城に置いてから直しに来るのじゃ~」

「ちょっと魔王様に何か言ってよ瑞希!!!」

「……何も言えねぇ」

「ちょっと瑞希ぃ!?!?」


シルヴィアスはそう言い残し魔王とシルヴィアスは転送魔法で魔王城に連れていかれたのだった。


「……あれぇ~この場に私一人だけになっちゃったな~」


私は倒壊した建物を見て一人寂しくなっていたのだった、だが寂しくなろうが今現状の状態は治らないのだった。そして数十分が経ち魔王が戻ってきた。


「待ったのじゃ?」

「いいや、ただ無心で居たから苦ではなかったね」

「それでいいのじゃ……?それじゃ修復していくのじゃ」


魔王は建物を魔法で囲み、建築魔法でどんどんと元の姿にしていった、だがなんだか修復前よりも修復後の方が豪華になっているのは気のせいだろうか……?


「会心の出来なのじゃ」

「ありがとう魔王様!」

「……人間に言われるとなんだか照れくさいのじゃ」


どうやらこの魔王は人間に魔王様と言われるのが初めてでどう返せばいいのか分からなかったらしい。


「じゃ、私はこれで」

「のじゃ……時々訪れていいのじゃ?」

「いいですよ、その時は名前で呼び合いましょ。私は瑞希、あなたは?」

「マーチャ、そう呼んでなのじゃ~」


そう言ってマーチャは上機嫌で魔王城に帰っていったのだった。


(さてと、腹が減ってるしご飯を……そう言えばご飯ってどうしたらいいんだろう)


次に表面化してきた問題、それは食糧問題だ。食料が無ければ人間は生きていけないのだ。そして私はこれからどうにかして食べ物を確保することになるのだった。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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