29話 圧倒的な実力差
マーチャはスタッフに魔法を溜めていると暗殺者が距離を詰めてきた。
「魔法は打たせない」
「おっと!そう来たのじゃ!」
魔法を近くで打てば自爆する可能性がある、魔法使いにとって至近距離に近づかれることは死と同義なのだ。
「もらったぁ!!!」
「一応魔王やってる身なのじゃが……」
マーチャは暗殺者の刃を華麗にかわし、魔導書を後ろのバッグにしまった。
「いいか、魔法使いのスタッフはこんな使い方もできるのじゃ」
マーチャは爆発魔法をスタッフの先に溜め、それをフルスイングして暗殺者のみぞおちに叩き込んだ。
「どっせぇい!!!」
「ぐおぉおお!?!?」
暗殺者のみぞおちにスタッフが直撃すると爆発魔法が発動して暗殺者のみぞおちが爆発して吹き飛んだ。
「いやぁ~とても吹き飛んだのじゃ」
「うるさい……」
「その傷だと俊敏な動き出来ないでしょ?逃げたらなのじゃ?」
暗殺者の腹から血がしとどに流れ、明らかに動きが鈍くなりそうだった。
「それで逃げるのか逃げないのかどっちなのじゃ?儂はまだ本気を出していないのじゃ」
「負けてられるかぁ!!!」
暗殺者はマーチャに突進してきた、だがマーチャは無慈悲にも土魔法で土の棘を作り出し、暗殺者の腹を貫いた。
「単騎で儂に挑もうなぞ、100億年早いのじゃ」
「ぐぅうう」
実力差はあまりにもかけ離れていた、魔法も近接もマーチャの方が上手だったのだ。そして暗殺者は腹を貫かれた事によって息絶えた。
「しかしこいつをどうしようかのぉ……明日の朝になって他の連中にこれを見られたら詰められるのじゃ……」
マーチャは暗殺者の遺体をどうしようか考えていた。
「仕方ないのじゃ、こいつを王国まで送り届けてやるかのぉ」
マーチャは暗殺者の遺体を土の棘から外し、転移魔法で王国に飛んだ。そして正面の門に遺体を置いて一瞬で家に帰って来たのだった。
「しかしどうも変な挑戦者が現れるのぉ……それに本気を出してないのに死ぬのは実力が落ちてるからなのじゃ?」
こうしてあまりにもあっけない勝負を終えたマーチャは家に入っていったのだった。そして翌日、朝食はシルヴィアスが作ってくれた。
「ほい!」
「何だか美味しそうな肉だなぁ……」
「昨日狩ってきたシカの肉、とてもうまそうに焼けた!」
「いただきまーす」
私は朝方からかなりヘビーな肉を食べていた、するとマーチャが起きてきた。
「おはようマーチャ」
「おはようなのじゃ……」
「魔王様、どうかしましたか?」
「いや……昨日外で戦ってきたからまだ疲れが取れてないんだ」
「誰と戦ってきたんですか?」
「王国軍の暗殺者が儂を襲ってきたから返り討ちにしたのじゃ。最後は土魔法で作り出した土の棘で腹を貫いたのじゃ」
「もしかして一昨日ぐらいに矢を放ってきた人?」
「そうかもしれないのじゃ、しかしこれで一旦は平和になったのじゃ。自由に過ごしてもよくなったのじゃ」
そんなことを言うマーチャの顔には悲しみが浮かんでいた。
(出来れば人を殺したくなかったのかな、マーチャは慈悲深いなぁ)
「はい、魔王様の分の朝飯も出来てますよ」
「おっ、気が利くのじゃ~」
(でもこうしてみるとマーチャは一人の女性って見ることができる……)
こうして王国軍の暗殺者は消え、一時的な危機は去ったのだった。だが王国軍の嫌がらせはまだまだ続くのだった。
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