24話 永久電池
私たちは何とか熱さに耐えながら銅のインゴッドを11本作り上げた。ムートは熱すぎる場所にいたおかげで家で体を冷やしに行ったのだった。
「よし、これをハンマーで伸ばして銅線にする。それと同時並行で雷の石を四角く加工する。このまま割っても四角の形になるけど少々デコボコしてるから滑らかにする」
「分かった、大きさはなるべくそろえた方がいい?」
「なるべくそろえた方がいいね、隙間なく詰めたいからね」
銅のインゴッドを銅線にするのはヴァイスにやってもらい、雷の石を割って四角にするのはマーチャ、加工するのは私が行った。
「あっ、研磨している時水を付けた方がいいぞ、滑らかになって削りやすくなる」
「本当だ、するすると滑る」
「削った水、もらってもいいのじゃ?」
「いいけど何に使うんだ?」
「内緒、だけど今後に役に立つ気がするのじゃ」
マーチャは私が削った雷の石の削りカスを容器に入れていった。
「もっと削るのじゃ」
「うおおお!!!運は関係ないぞぉおお!!!」
私は必死に雷の石の表面に顔が映るようになるまで削り、結果的にデコボコが無くなった。
「完璧な出来だ!!太陽の光を反射するぞ!」
「凄いな……これだけピカピカになると鏡みたいに体が写りそうだな」
「いや無理なのじゃ」
この要領で私はたくさんの雷の石を磨いて行った。ヴァイスはハンマーを使い銅のインゴッドを叩いて行き銅線を作っていってた。
「後これを数十個作るのね、疲れるよ」
「そうだ、だから休み休みで作業していった方がいいぞ」
私は腕を休ませている間にマーチャが雷の石を磨いていった。
「しかし先人はこの苦行を通して何を思ったのじゃ?」
「先人の考えなんてそういうのは度外視だ、今は今、昔は昔と言う事を考えてる。まぁ過去の発明品は今になっても使われてるがな」
ヴァイスはそう言いながら銅線を一本作り上げた。
「よしっ、これで一本目が完成した。そっちは?」
「雷の石を2個磨き上げたぞ」
「2個で微弱な電流が……あと6個ぐらい作ろうか。電球は余裕で点くだろうな」
「でもこんな石だけで電力を生み出せると思わないんだけど」
「普通はそうだろう、だが雷の石の不思議な特徴でな、一つだけだと1倍の電力量だけど2個3個集まると2倍4倍と増えていく。目標の個数は最低8個だから128倍の電力を取り出せる」
「つまり微力な電力が倍になっていくのね」
「そうだ、だからがんばれ!」
私は残りの雷の石を削っていき、腕が悲鳴を上げ始めたころには雷の石の削りカスを含んだ水が白く濁っていた。
「凄い濁りだね」
「そうだな、これに電気を通せば感電しそうだ」
「恐ろしいのじゃ」
そう言うマーチャは私が雷の石を削っている時に飛び散った水が顔にかかっていたのだった。そのビジュアルは子供には不適切なほどに汚れていた。
「マーチャ……それ私に見せたくて放置してたの?」
「そうなのじゃ、なんだかいかがわしいのじゃ?」
「……いい加減拭きなよ」
マーチャが雷の石の削りカスを拭くとなんだか皮膚がもちっとしている様子だった。
「マーチャ、もしかしてこの水は皮膚をマッサージして潤すのか?」
「微弱な電流が皮膚をマッサージして艶が戻ったようなのじゃ~」
「意外な発見だな。泥パックならぬ削りカスパックって言う事かな」
意外な活用法を見つけたマーチャは顔に集めた削りカスの水を顔に塗りたくった。
「おお~微弱電流~」
「何だか楽しんでるな」
「楽しんで何が悪いのじゃ?」
「いや、作業を止めなければいいんだけどな」
そして日が落ちる頃には雷の石を8個、磨き終えたのだった。
「とりあえずはこれでいいんだよね」
「ああ、最後は雷の石に銅線を刺していって木箱に詰めるだけだ」
「あと少しなのじゃね」
「ああ、続きの作業は明日にしようか」
「あーい、じゃ今日の作業は終わりということですか」
「私は家に帰るから、さすがに疲れた」
ヴァイスはふらふらした足取りで家に入っていった。
「私たちも家に入ろうか。それで今日あったこと話してもいい?」
「いいのじゃ、ちょうど儂も話したいことがあったのじゃ」
「ならマーチャの部屋に行こうか」
「よしっ、レッツゴーなのじゃ!」
私とマーチャは作った雷の石ブロックや銅線を家の近くに寄せて置き、家に入っていったのだった。そしてマーチャは私が言う事によって静かな怒髪天を突くのだった。
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