17話 エルフの森
数日後、私はおたよりフクロウが来るまで待っていた時、東の空からフクロウが飛んできて私の肩に乗った。
「ありがと」
フクロウは手紙を咥えて持ってきてくれたのだ。さっそく私はマーチャに手紙を私に言った。
「マーチャ、今大丈夫?」
「大丈夫なのじゃ」
私はマーチャに手紙を渡した、するとムートが目覚めたのだ。
「……ここはいったいどこなんだ。魔王、どうして私を生かした」
「ふん、一応あなたは捕虜なのじゃが?」
「そうだよな、私は一度敗北した身。王国にどのような面をして帰ればいいのだ?」
「それ含め、この手紙に書いてあることを祈るのじゃ」
マーチャは手紙を読み始め、朗読し始めた。
「えっとなのじゃ?明日の日が上に来た時にエルフの村で会合をすると書いてるのじゃ。それでムートを連れてこいと書いてあるのじゃ」
「良かったね、マーチャに殺されずに済むよ」
私はムートにそう声をかけたがムートの表情は曇ったままだった。
(普通は負けたのに国に帰ったら何を言われるのか分からないよね)
ムートは王国直属聖騎士1番隊隊長という立場についているが負けたと広まれば隊長の座を降ろされるだろう。私はムートを元気にさせようとして無理に話しかけた。
「ねぇ?元気?」
「元気だと思うか?」
「そうだよね……敵に負けて生きてるんだから騎士としては最大の恥だよね」
「そうだ、敵に負けたのなら潔く死ぬのが筋、だがこの魔王は私を生かしやがった」
マーチャはどうしてムートを生かしたのは政治的な意図以外に何かあると私は感じていた。
「マーチャ、どうしてムートを生かしたの?政治的な意味以外で言って」
「……分かったのじゃ。儂ら魔族は全く人間に手出しをしていない、だが人間は魔族を恨み、憎しみ、そして殺している。じゃが儂らはそれについて報復をしていないのじゃ。さすがにゲスい事をしたのなら地の果てでも追いかけて殺すのじゃ」
「魔王の話なんてほら話だろう」
「ならあなたは儂らの悪事を言えるのじゃ?」
「……言えない、そもそも悪事なんてやっていないはずなのにどうして私たちは魔王を憎しみの目で見ていたんだ?」
ムートは何故魔族が敵視されているのか分からなくなっていった。
「人間は悪に対して正義を実行しないと安心しない生き物なのじゃ、じゃが悪がいないとなると悪ではない悪を作って正義を実行するのじゃ。あなたたちもそんな考えじゃなかろうか?」
「……そうかもしれないな、国王が悪と言えば悪になり、善と言えば善になる……」
ムートは涙を流していたがマーチャは話を続けた。
「それでなのじゃが……王国に帰ったのなら儂らの話を広めてくれなのじゃ」
「そうか、考えておくよ」
そして私とマーチャ、あとムートとシルヴィアスは遠征する準備をし、徒歩でエルフの村に向かっていった。
「しかし馬に乗るのは儂らに対して宣戦布告なのじゃ?」
「いや、まだ足が回復しきっていない、自力で歩けないからな」
ムートはプレートアーマーを着ており完全防備の状態だった。
「マーチャ、エルフの村っていったいどこにあるの?」
「あの森を抜けた先に確かあったのじゃ」
「かなり遠いのね~」
「覚えてる限りですとエルフの種族自体排他的な人たちが多いって~」
「排他的なのか……用事を終えたらすぐに帰らないといけないのかな?」
「いや、そこはエルフの人たちの匙加減なのじゃ。着くまで対応がどんな感じか分からないのじゃからな」
エルフに関する話をしていると真正面にオオカミが現れた。
「あら、私がメイスでシバいたオオカミの群れだ~」
シルヴィアスはそう言ってメイスを取り出した、オオカミたちはシルヴィアスのメイスをよく覚えているのか一目散に逃げていった。
「逃げていったわね……」
「多分そのメイスがトラウマだろうな」
そして森を抜けると発展した村が目の前に出てきた。
「凄いなぁ……これって木と蔦だけで作られてるのかな?」
「エルフは石造りの建物を好まないからこんな外装になっているのじゃ。内装も質素だがエルフからすると豪華って言う可能性もあるのじゃよ」
私たちはエルフの村に入り、村長にあいさつしに行ったのだった。
「村長の家は多分この大きな家なのじゃ?。入る準備をするのじゃ」
マーチャが村長の家のドアをノックした、そして中から声が聞こえてきた。
「どうぞ」
「失礼しますなのじゃ」
マーチャが家の中に入ると私たちも続々と中に入っていった。
「どうぞ、お待ちしておりました。この度は物凄く大変なことになりましたな」
「なのじゃ」
「それで使いたい集会場はこの大きな建物でいいんですかね?」
マーチャと村長は会合に使う建物を選んでいたのだった。この時のマーチャは経験を活かして外交を行っているように見えた。
「よし、部屋をとれたのじゃ!そこで王国の奴らが来るまで待つのじゃ!」
「あと一日ありますが……?」
「なら一日待てばいいのじゃ!」
こうして私たちはエルフの村で一日夜を過ごすことになったのだった。その間私たちはエルフの村を自由に探索できるようになったのだ。
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