104話 勇者だけのヒーラー
私とリョウは最初の勇者の神殿の真下にある街に転移したのだった。
「再びここに来るなんて思った?」
「いいや、思ってなかったな」
私とリョウはハイルングと言う人物を探しにこの街にやってきた。まず最初に私たちはこの街のギルドを訪れてみた。
「すいません、ここって人を探すことは出来ますか?」
「出来るぞ、誰をお探しなんだ?」
「ハイルングって言うエルフを探してるんですけど知ってます?」
「知っているぞ、少し待っていろ」
ギルドの人がギルドの外に出ると私たちは言葉を交わした。
「本当にハイルングが居るのだろうか?」
「探しに行ったのならいるだろうな」
そして数十分後、ギルドの人は明らか旅をしていなさそうな人が入ってきた。
「この方は勇者の最期を共にし、この街を興したんです」
「つまりこの人はこの街のトップ……?だったらあの変態は?」
「そうなるよね……教えるよ……」
ハイルングらしき人は震える足で椅子に座った。
「私はハイルング……みすぼらしい姿の通り私はホームレスなんだ……」
「ホームレス?勇者と共にしたんだろう?」
「ええ、でも80年前ぐらいから知らない人間がこの街を乗っ取ってね……私はホームレスに、その人間たちは私の財産と土地を手に入れたんだ。そして今日にいたるんだ」
「だからこんな髪の毛がぼさぼさに……」
「街に出れば警備兵が私を捕まえようとするから出れない……」
ギルドの人はハイルングの過去を知っているようで今の街の体勢に不満を持っているようだった。
「実際俺のおじいちゃんやおばあちゃんが言っていたが税が導入された時は良かったと言っていた、だがどんどんと税が増えていって今となってはほとんどの行動で税と聞くようになってしまった」
「もし一つだけ叶えたいことがあれば何かある?」
「……勇者の紋章をあの場所から取って来てほしいと願う。奴らに管理されたままだったらきっと旦那様は悔しがってます」
ハイルングはそう言って頭を掻いた。
「俺、その紋章を持ってますよ」
「それって……本当?」
ハイルングはリョウがいる方を向いた。
「ハイルングにとってこの紋章が命より大事なのはわかってます、ですが最初の勇者の言葉も聞いてほしいんです」
するとリョウの後ろに霧が現れ始めた。
「ハイルング、そこに居るのか?」
「……旦那様……そこに居るんですね!?」
「ああ、霧になって蘇った。それでだが俺はこのリョウを新たな勇者だと思っている。俺が紋章になる時、どんなことを言ったか分かるか?」
「勇者を探し出してくれと」
「今目の前に居るリョウは勇者に見えるか?」
「いえ……ですが微かに旦那様の志は見えます」
「そうか……これからリョウは勇者になるためにいろいろな経験をしていくだろう。ハイルング、支えてくれないか?」
「いいのでしょうか……?」
「ああ、それにハイルングにとって俺が近くに居るという事だけで本望だろう」
ハイルングは少し顔を赤らめていた。
「はい……旦那様が近くに居るのならどこでも行きましょう」
「ふっ、リョウ、後は頼んだぞ」
霧が消え、ハイルングは髪をまとめた。
「それで……私を尋ねに来ただけですかね?」
「リョウ、やるべきことは分かってるよね?」
「ああ、何となく勇者としてやるべき事が分かった」
リョウは剣を取り出した。
「今からこの街の長を断罪しに行く。これが勇者としての責務だ」
「……なら私がつき添いますわ、旦那様を宿したリョウ様」
「私もついて行く。リョウとハイルング二人だけだと不安だし」
その事を話しているとギルドの中が盛り上がり始めた。それを治めるギルドの人だった。
「鎮まれ!」
「その女たちが行っても俺ら男の面目がねぇじゃねぇか!」
「そうだ!俺らにも手伝ってほしいと言え!」
どうやらギルドに集まっている人たちもこの街の長の方針に異議を唱えているようだった。
(戦ってくれるのなら連れて行っていいのか……)
「分かった、あなたたちも戦ってくれるのよね?」
「ああ、当然だ!」
「ならついてきてください。そして今から革命を起こしましょう!」
「「「「うおおおおおお!!!」」」」
こうして私とリョウ、そしてハイルングはギルドの人を巻き込んでこの街で革命を起こすのだった。そして勇者と共に旅をしたハイルングがどれほどまでに慕われているのか分かるのだった。
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