102話 好奇心で救われる命
リーベから信頼を勝ち取った私はリョウを置いて華鈴さんの元に転移することにした。
「どうして俺を連れて行かないんだ?」
「リョウはリーベの相手をしていて、時間を稼いでほしいんだ」
「分かったが瑞希はどうするんだ?一人で逃げるわけじゃないだろ?」
「ああ、もう一人の転生者に会いに行く」
「もう一人の……転生者……」
「ああ、その転生者がギルドを運営している。だから頼んだ」
「……わかった、時間を稼いでみる」
私は一人で商人ギルドの場所に向けて転移魔法を使った。
(なるべく当たり障りのない方法で言わないとあの惨劇の二の舞になってしまう……気をつけないと)
そして商人ギルドに転移してくると華鈴さんを探した。
「華鈴さん、居ますか?」
「ああ、居るが風邪をひいてしまっている」
そう言うのは見たことのない男の人だった。
(何だこの違和感、周りの人が少ないように見える……それに扉の奥から変な感じがする)
「その扉の奥を見せてくれ」
私はカウンターを飛び越えて奥の扉を開けようとした、だがその手を止める奴がいた。
「困る、お前は排除する」
「へぇ……前のギルドマスターはそんな荒っぽくなかったな」
私は奴の言う排除するという言葉をすぐに理解した。
(なるほど、何故周りの人が少なかったか理解した!こいつが排除していたのか!)
「先手必勝!」
私は手を奴の腹と胸に当て、ファイアと極少量のウォーターを打った。
「ウォア!!」
私の打った魔法は小さな爆発を起こし、そして奴の生半可な筋肉を爆発させた。
「生半可な肉体だとこの攻撃は防げないだろうな」
私の打った魔法、それは単なる賭けだった。水が急速に加熱されると一瞬で水蒸気に変化する。そして体積が1700倍になることで発生する物理現象、その名は水蒸気爆発だ。
(少々荒っぽい即席魔法になったな……杖を使わなかった影響で手のひらの皮がめくれているだろうな……)
私はボロボロの手で奥の部屋の扉を開けた。するとそこには縛られた華鈴さんがいた。
「華鈴さん!大丈夫ですか!?」
「ああ、体の節々が痛いこと以外は無事だ……」
「それ無事じゃないよね?」
「ああ……それでどうしてここに来たんだ?」
「あのね……伝言を預かってるんだけどね、古代エルフがこのギルドのマスターが気になってるってさ」
「ほぉ、それって交渉したいって事?」
「さぁ、まずは手紙とかでやり取りじゃない?」
「そうだね……一旦は手紙でやり取りしてみるよ……」
私はどうしてあんなことになっていたのか聞いた
「ねぇ、どうしてあんな事になってたの?」
「強盗が来ちゃってね……対処できずに負けちゃったんだ……」
「強盗って……私ワンパンで強盗始末しちゃったの!?」
「ああ、とにかく助かったよ……どこにも救援を出せなかったからね……」
こうして意図せずに交易ギルドを襲っていた強盗を人知れずに撃退し、華鈴さんに死ぬほど感謝されたのだった。そして華鈴さんはリーベに手紙を書き始めたのだった。
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