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友達と恋人の間

9話です。うーん、なかなか進まない。

わが子ながら、じれったくてイライラしますが、本人たちはそれなりに必死なので、どうかあたたかく見守ってやってください。




虹色マカロン Part9 友達と恋人の間



店を出て、長い通路をふたりで歩く。左手を出すと自然に手を握ってくれるのが嬉しい。

すこしずつ心の距離も近づいてきている、そうだといいけどな。


でも・・・

「友達」だったときよりも、会話が減ってきているような。

何か喋らないと、と考えれば考えるほど緊張して何を話したらいいのかわからなくなってきてしまう。

ちょっと前まで話すことなんか考えなくても、いくらでも会話が続いてあっと言う間に時間が経っていたのに。

そんなことを考えていたら


「ねえ・・・」


彼女が話しかけてきた。


「あたしたちってふだん何話してたっけ?」

「え、ええと・・・。多分、友達のこととか、かな」


なんだか他愛もない話ばかりしていたと思うけど、聞かれると思い出せない。


「うん、そうだよね。で、さっきから何か話そうとずっと思ってるんだけど、何にしようとか考えてるとわからなくなってきて・・・」


それ、今俺の考えていたことだ。


「友達のときは何も考えなくても、いくらでも話していられたのにね」


彼女の言葉に胸が騒いだ。

それは、友達に戻りたいってこと?

なんだかいたたまれない気持ちで、思わず左手に力が入ってしまう。


「橘くん?」

「あ、ごめん、痛かった?」

「ううん・・・」


彼女はかぶりを振った。


「橘くん、あたしといても、つまんないんじゃない?」

「そんなこと・・・」


思ってもみなかった、彼女がそんな不安を抱いていたなんて。


そんなことない、絶対ない。

だけど、そう言葉にしてしまうとなぜか途端に空々しくなってしまう。

どうしたら気持ちがうまく伝わるのか、相手に伝えるってこんなに難しいことだったろうか。


彼女の不安な気持ちを払拭してあげたい、でも。

どうしようもない焦燥感を抱え、彼女の手を握り締めたまま、歩き出す。

なんの当てもないけれど、せめて何か彼女の気が紛れることが見つかれば、そう思っていた。



ふと、通路にずらりと並んだワゴン式の出店が目に留まった。

それは、アクセサリー類を売っている店で、可愛らしいデザインのネックレスや髪留めがたくさん並んでいる。


「ちょっと見てみる?」


声をかけると彼女はにこっと笑って頷いた。笑顔をみるとほっとする。


「あ、これ可愛い」


ワゴンの前に行くと、すぐに彼女が呟いた。


手に取ったのはシルバーのネックレス、サークル状の枠の中にハートシェイプにカットされたピンクの石が揺れている。銀色の枠の中にはひとつだけラインストーンが付いていて、派手すぎないけど可愛らしい。うん、すごく彼女に似合いそうだ。







今回、一人称の限界をひしひしと感じています。美紅ちゃんの気持ちがなかなか伝わらない・・・。

ひとえに私に力がないせいなんですけど・・・。

でもこれは全編蒼くんの一人称でいくと決めたのでこのまま行きます。



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