以心電信
以心電信
3月13日、土曜日。
待ち合わせは11時なのに、6時から目が覚めてしまった。
カーテンを開ける。早朝ということを考慮しても、どう見ても快晴とは言い難い。そのうち雨が落ちてきそうだ。
(ついてないな・・・)
付き合ってひとつきになるけど、忙しかったから、ちゃんとしたデートは初めてだ。爽やかに晴れることを期待していたのに、この天気じゃ行く場所も限られてしまう。
俺は彼女と一緒に居られれば、どこだって構わないけど、彼女はそうじゃないだろうし。
映画とか、買い物?
メールして聞こうかと思ったけど、時間を考えてやめた。
彼女はまだ眠ってるかもしれない、緊張と興奮でこんな時間から起きてしまったのは俺の方だけだろうし。
そう思っていたら、メールの着信音がした。
“美紅 件名:朝早くからごめん”
慌てて携帯を開く。
“こんな早くからごめん、起こしちゃったかな。なんだか早く目が覚めてしまって
ちゃんとしたデートは初めてだね。お天気はイマイチだけど、あたしは橘くんと一緒ならどしゃぶりでもハッピーだよ
・・・って、ちょっと恥ずかしいな。早朝から変なテンションでごめんね。じゃあ、また後で
起こしちゃったんだったら、まだ時間あるから二度寝してね。遅刻しても怒らないから”
思わず微笑みが浮かんでくる。
“俺も早く目が覚めて、メールしようかと思ってたところ。ほんとに以心伝心かもしれないな”
そう打って送信ボタンを押す。さすがに絵文字は恥ずかしいからやめた。
離れていてもきっと気持ちは繋がっている。
ほんとにそうだ・・・。
早く
会いたい・・・。




