薔薇色水晶
10話めです。
まさかこんなに長くなるとは・・・
デートしていちゃついてるだけの話なのに、一万字超えてしまいました。
いつ終るんだ、これ・・・。
そして・・・今回も恥ずかしいです。いつもすみません・・・。
虹色マカロンPart10
「これ、ください」
そう言うと彼女は驚いたように俺の方を見た。
「え、いいよ。そんな、プレゼントしてもらう理由ないし・・・」
「これまで待たせたおわびとか、初デート記念とか、理由なんていくらでもつけられるだろ」
「でも・・・」
「一番の理由は俺がプレゼントしたいから。だから遠慮はなし!それとも他のものがいい?」
「ううん、それがいい・・・」
「じゃ、決まり」
小さな包みを受け取り、手渡すと彼女は満面の笑みを浮かべた。
「どうもありがとう」
彼女の笑顔に、心から安堵した。不安なのは、本当は多分俺のほうなんだ。
やっと手に入れた、俺だけに向けられる笑顔。それが何より嬉しくて、だけど、嬉しければ嬉しいほど、それを失うことが怖くて・・・。
「ちょっと座らない?」
彼女はそう言うと、通路の端に置かれた木製のベンチを指差した。
疲れたのかな、そう思いながら、並んでベンチに腰掛ける。
彼女はさっきのプレゼントの包みを開き、ネックレスを俺に手渡した。
戸惑っていると
「着けてくれる?」
彼女は言いながら、両手で後ろ髪をまとめてかき揚げた。
「・・・」
突然目の前に現れた白いうなじ。首筋から肩にかけてのなめらかなラインの美しさと色っぽさに息を呑んだ。
「どうしたの?」
「いや、着け方がわからなくて」
思わず誤魔化してしまった。
うなじに見惚れて忘れてました、とか、とても言えない。
「あ、そうか、貸して」
彼女は俺の手からネックレスを受け取り、一旦留め金を外してみせた。
「こうやってはずして、着けるときはこう・・・」
もう一度、留め金をつける。なるほど、うなじに見惚れてなくてもわからなかったな。
ほんと物知らずで呆れられたんじゃないだろうか。
「はい、ついたよ」
出来るだけ、うなじを見ないようにしながら、ネックレスを着けた。
気付かれてないよな、多分。
「どうもありがと」
そう言うと彼女は髪を上げていた手を下ろした。栗色の柔らかな髪がふわりと降りてくる。
ほんのちょっとだけ残念、とか。
また、何考えてんだ・・・ 自己嫌悪。
「どう、似合うかな?」
振り向いた彼女の胸でネックレスが揺れる。
「うん、すごく似合う。今日の服ともぴったりだし・・・」
「ありがと。ねえ、これなんていう石か知ってる?」
「いや・・・」
自慢じゃないが、そういうことには全然詳しくない。はっきり言って疎い。
「ローズクォーツ、日本語では紅水晶って言うの。恋愛に効くパワーストーンで、とくに胸につけるといいんだって」
「へえ・・・」
「迷信かもしれないけど、それでも信じたいって思うときってあるよね。これからもずっと一緒にいられますように、って」
なんだか感動してしまった。
こんなときに何か気の利いた台詞でも言えればいいんだけど、やっぱり何を言ったらいいのかわからなくて、俺は彼女の肩を抱き寄せた。
彼女が可愛くて、愛おしくて・・・。
ずっと、こうしていたい。
あ・・・
さっきの答えが見つかった気がする。
「あのさ」
「なに?」
「今、ずっと喋ってないけど、つまらない?退屈してる?」
「ううん」
彼女は慌ててかぶりを振った。
「俺も・・・。今、思ったんだけど、無理に話そうと努力なんかしなくてもいいんじゃないかな。俺は一緒にいられれば、それですごく満ち足りているから」
「うん、あたしも・・・」
彼女の髪を撫でると幸せな思いが満ちてくる。
言葉は、いらない。
それよりも大切な絆が、ここにあるから・・・。
ああ、恥ずかしい・・・。
ローズクォーツって可愛いですよね。「美紅」だから紅水晶にしたこともあります。
月の光に当てるとパワーが増すらしいです、ほんまかいな。
単に紫外線に当ると退色するからだったりして、(赤は紫外線に弱い)ロマンのない奴ですいません。




