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米津玄師ってユーチューバーなん?

「米津玄師ってユーチューバーなん?」


早朝の我が家に妻の声が響く。コーヒーを飲みながら新聞を読んでいる私は妻に尋ねる。


「そうなん? それ何情報?」


妻はユーチューバーの推定年収ランキングを私に見せた。

妻は書道動画を配信している自称ユーチューバーだ。私は妻のアシスタントを務めている。


ユーチューバーの年収ランキングを検索しているということは、妻はユーチューバーになったときの収入を気にしているらしい。


チャンネル登録者数が1,000人超えないと広告収入は入ってこないから、妻が収入を気にするのはまだまだ先の話だ。ちなみに、この投稿時点でチャンネル登録者数は66人。

先は長そうだ……


妻が見つけてきたサイトには会社が動画再生数から計算した推定年収が載っていた。


1位:Fischer’s・・・・・・5.5億

2位:東海オンエア・・・・5.0億

3位:ヒカキン・・・・・・2.8億

4位:はじめしゃちょー・・2.3億

5位:米津玄師・・・・・・2.1億


出所:Wondershare Technology Co., Ltd『最新版!YouTuberに関するランキング紹介(収入編)』

https://filmora.wondershare.jp/youtube-video-editing/youtube-annual-income-ranking.html



ちなみに、私はあまりYouTubeを見ない。以前『私とダウンドッグの3年間を語ろうじゃないか』に書いたように、唯一見ているYouTubeはヨガの動画だ。


B-lifeのマリコさんという女性が配信している動画を見ながら、毎日ヨガをしている。3年以上ヨガを続けているのだが、ダウンドッグなどの基本的なヨガポーズはまだできない。

体が硬いのか、やり方が悪いのか分からないけど、足が真っすぐ伸びずにプルプルする。

そんな私のヨガポーズを妻は『生まれたての子鹿』と言う。


話は逸れたが、みなさんは日本のユーチューバー・ランキングのトップ5を全員知っているのだろうか?


私はYouTubeの動画をほとんど見たことがない。だから、ランキングのトップ5のうち、私が知っているのはヒカキンと米津玄師の2人だけ。

はじめしゃちょーは聞いたことある。けど、顔が分からない。


YouTubeを見ないオジサンの知っているユーチューバーはこんなものだと思う。

もちろん妻も知らない。自称ユーチューバーの妻は、著名ユーチューバーを知らない。


私はランキングを見ながら妻と話している。


「へー、知らんかった。米津玄師はユーチューバーなんやなーー」

「そーやろ? ビックリしたやろ?」


妻は私に得意げに言う。私よりもたった数分早く仕入れた情報なのに……

さらに、妻は続ける。


「でもなー、ユーチューバーって思ったより年収高くないなーー」


確かに、私もそれは思った。


「たしかに、そうやな。あんなけ顔出しして、プライバシーないのにな」

「10億とか20億とか稼いでるかと思ったわ」

「他にも収入あるやろうけど、ユーチューバーじゃなくても同じくらい稼げる仕事あるのになーー」


妻は少し残念そうにしている。


決して年収が低いという意味ではない。

トップ5の年収は2億~5億。普通の人と比べるとかなり高いと思う。

でも、日本の《《トップ5なのに》》年収は2億~5億。

他の業界ならもっと稼げるのでは……、そういう意味だ。


私は仕事でいろんな人に会う。

だから、どういう人の年収が1億~2億なのか、を具体的にイメージできる。いくつかのケースで説明してみる。


一般業種の場合、大手上場企業の日本人取締役は1~2億もらえる。外国人取締役はもっと多い。10億とか貰っている。

例えば、2023年3月期のトヨタの役員報酬は豊田章男会長が9.99億円に対し、取締役のJames Kuffnerは13.3億円だ。一般的に日本人の方が役員報酬は低い。


金融業界だと30歳前後で年収1~2億の人はゴロゴロいる。ボーナスが業績連動だからだ。年間収益が10億円で1~2億円のボーナスがもらえたりする。


また、上場したベンチャー企業で働いている人も年収1~2億になる場合がある。

ベンチャー企業は大手企業のように給与水準を高くできない。だから、優秀な人材を集めるためにストック・オプション(役職員向け新株予約権)を発行する。

勤めているベンチャー企業のストック・オプションを持っていて、その会社が上場したら1億超えることも珍しくない(業種による)。


他にもいろんなケースはある。ここで言いたいことは、トップ5のユーチューバーの推定年収は、《《トップ5なのに》》そんなに高くないのだ。

もちろんユーチューバーの収入は動画再生だけではないだろう。だから、もっと貰っているかもしれない。


ただ、他の業界を知っている人間からすれば、彼ら・彼女らの日々の努力、事業リスク、コスト、プライバシー侵害、レピュテーションを考えれば、決して割のいい職業とはいえない。


子供が将来なりたい職業ランキングの1位がユーチューバー、と何かの記事で読んだことがある。かつては野球選手、サッカー選手などがランキングの上位だった。


確かに、ユーチューバー、野球選手、サッカー選手は夢のある職業だ。

ただ、ユーチューバーほど頑張らなくても同じくらい年収を貰える職業はある。だから、子供にはユーチューバーのような知名度の高い職業だけでなく、他の職業のことも知ってほしいと思う。


私は妻に尋ねた。


「ユーチューバーやめるか?」

「まぁ、お金だけじゃないし……副業やと思ったらいいんちゃう」

「そうかー」


とにかく、妻はユーチューバーとして稼ぐ気のようだ。


先は長そうだ……


<続く>


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