こんなところ、こんかったら良かったわーー!
「こんなところ、こんかったら良かったわーー!」
後ろから女性の声が聞こえた。
妻の声ではない。どこの誰か知らない女性の声だ。
このとき私は長野県にある戸隠神社「宝光社」の階段を登っていた。
誘ったけど妻は来なかった。
「神社に動物いーひんやろ。興味ないわー」とのことだ。
さて、戸隠神社は五社ある。
私は「宝光社」→「火之御子社」→「中社」→「九頭龍社」→「奥社」の順番に歩いて参拝していた。位置関係を示すとこんな感じだ。
私は車を運転しないから長野駅からバスに揺られて戸隠神社「宝光社」までやってきた。
同じバス停で女性2人組(多分、親子だと思う)が降りた。
一人は私よりも少し年上、一人は私よりも少し年下の女性二人組だ。
入口を抜けると社殿まで続く階段がそびえていた。こんな階段だ。
先に私が階段を登っていたら、女性二人組も階段を登り始めた。
後ろから声が聞こえた。関西弁だった。関西から親子で旅行にきたのだろう。
「しんどいわー」
「もう無理!」
「足パンパンやー」
声が徐々に小さくなっているから、二人は疲れて階段の途中で止まっていたと思う。
少ししたら、声が大きくなった。
「アンタが行くっていうから、来たんやろ?」
「アンタも行くって言ったやろ? 人のせいにすんなやー」
「もういい! 私はここで待っとくから、アンタだけ登ったらいいやん!」
「なんで私だけ登らなあかんの?」
「こんなところ、こんかったら良かったわーー!」
社殿までの階段を登るのが嫌で、喧嘩が始まった。
親子で来ると、こういうことになる。
うちの妻は来ていなかったけど、一緒に来たら同じようなことを言ったと思う。
あれは妻と高尾山に行ったときのことだ。
「疲れたー! 後ろから押してくれー!」
10分くらい坂を登ったら妻はゴネ始めた。
私はこういう時、餌で釣ることにしている。
「上まで登ったらソフトクリーム買ったるわ」
大体これで妻の機嫌は直る。
ふと横を見ると、親子連れが歩いていた。
「もー、無理! おんぶしてーー!」と子供が父親にせがむ。
「もう少しだけ頑張ろ! 上に行ったら、ソフトクリーム買ってあげるから」
父親が子供に言うセリフが、私が妻に言うセリフと同じだった。
ゴネた女性は、子供と同じなんだよな……
***
さて、YouTubeに話を移そう。
私の妻は書道動画をYouTubeに投稿している自称ユーチューバーだ。そして、私は妻のアシスタントとして、妻の書く動画を撮影、編集、YouTubeに投稿している。
最近はもっぱら漢字クイズを投稿している。
かなり数をかせげた魚編は、全部書いてしまった。
だから、妻はクイズのネタを探している。
妻が最近目を付けたのが同じ漢字を繰り返しするものだ。皆さんは知っているだろうか。
区区:まちまち
態態:わざわざ
滴滴:たらたら
※中国の配車アプリ(DiDi)ではない
漢字は奥が深い。そして、数が多い。
当分、ネタには困らない。
書道チューバーとして大成することを望みながらも、クイズ動画を配信し続ける我が家。
我が家の戦いは今日も続くのであった。
<つづく>




