宮兎夜白冨
2018年5月6日
東京都新宿区のとある公園に直径7mの巨大な隕石が飛来した。この隕石の飛来は予測されていた為落下当時周囲に人はいなかった為怪我人は無し。だがこの隕石には、『ウイルス』が付着している事がとある大学から発表された。そう、宇宙に生物が存在した事が分かったのだ。
そのウイルスが人に感染して何か悪さをする、という結果などは何も見られず、さらに地球の酸素濃度がその生物に合っていなかったためか、あっという間に死滅してしまった。
そのためあまり研究が進む事はなく、『宇宙に生物がいる』という革新的な話だけが残り、民衆の間からは話は忘れられていった。
隕石飛来時に0歳〜14歳だった世代が大人になり、子供に異常が見られるまでは
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2048年4月4日(木) 7時20分
英国籍名 :シャーロット・シロト・M・ホークガスト
日本国籍名 : 宮兎夜白冨
愛称 :しゃる
イギリス人と日本人のハーフの息子、白冨は15歳までイギリスの中等教育を受けていたのだが、日本でいう高校生になってからはとある事情から日本の教育を受けることになっていた
「ネクタイは気持ち緩めで…」
顔面に異常がない事を確認していると、ホテルの電話が鳴った
「はい」
『すみません。お客様のお姉様を名乗る方がいらしているのですが、セリーと言えば伝わると……』
姉さんか、面倒だな。……荷物は全て寮に送ったんだけどな。チェックアウトは……帰って来てからするか
軽く息を吸い、声を意識的に震わせた
「だ……誰ですか?姉はいません」
『あ…それ——』
「それじゃ今忙しいので」
受付さんの声を遮り電話を切った
ご愁傷様だ。姉さんはおそらくブラックリストに載る事になるな。
荷物を持ち部屋のベランダに出て、強く踏み切った
「加速ッ!」
自分の時間的な速さを加速させ、飛び降りた
5階から飛び降りれば普通死ぬわけだが、自分にかかっている自転のエネルギーに対してかけた加速のみを僅かに緩め、慣性の法則で吹き飛んだ
「よっと!」
アスファルトに勢いよく着地し、体を起こした
「……行ってきます」
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隕石は大気中で塵となり、関東圏の広くに舞った。
その影響で関東圏に住むほとんどの15歳以下の人々はウイルスに感染したが、何も異常はなかった。本人には。
ウイルス感染者の子供
2028年に初めて確認された隕石飛来時15歳以下だった隕石のウイルス感染者の子供達に現れた症状。
症状は、血液型が皆RHnull型。つまり型がない事(こちらは21年に症状が確認されていた)と、『超自然を起こす力を得る』、という事だった。いわゆる、『異能』だ。この異能の種類は様々で、シャーロットのような対象の時間的な速さを加速させる者の他にも、手から火が出たり水が出たり、対象の質量を増減させる様な者もいる。
これを『いくら研究しても理屈の全く理解できない、まるでこの世の『バグ』の様な物』というある学者は放った言葉によって、その症状は『バグ』と呼ばれる様になった。そしてバグを持った人々を総じて、『ベータ世代』と呼んだ。
今のところ何が起こってどうなっているのかが全く分かっていない。
ただ、2つ分かっている事が、普通の人間には無い脳の部位があり、能力使用時にその部位が活発に活動している事。
あと、能力を持った者は、皆頭がとても良いという事だ(あくまで傾向、バカはバカ)。
能力にはクラスと呼ばれている、万能量子コンピューター『エルハイツ』によって戦闘シュミレーションが行われそれを基に8〜0若干曖昧な強さの指標がつけられている
クラス.8 弱い
能力が強さに関係無い
クラス.7
こいつ…パンチが強い!程度(メリケンサックくらい
クラス.6 多少戦える
チンピラにはタイマンなら負けない(丸腰vs鉄パイプ程度)
クラス.5 田舎最強
丸腰じゃ止められない(暴走トラックみたいなイメージ
クラス.4 強い
人間かどうか怪しくなってくる(固定砲ぶっ放しまくれるイメージ
クラス.3 超強い
完全武装の自衛隊百人相手にできる(戦術級
クラス.2 超ヤバい
1個師団位なら普通に相手にできる(作戦級
クラス.1 ヤバババい
まあ人間じゃない (雑
クラス.0 絶望
人間じゃない (雑
クラスe
性能が尖りすぎているせいでクラス.8に負ける事があるのにクラス.1並の強さになったりするような、指標を付けるのが難しい者達。つまり状況によって強さの起伏が大きい者だ。
殆どの指標が曖昧な中クラス.1とクラス.0にはしっかりとした基準がある。クラス.1は、空爆の中で散歩しても無傷でいられる、つまり超頑丈。
そしてクラス.0は世界を滅ぼせる力だ。
クラス.0は能力的に到達できるものはいるが、まだその域に達している者はいない。他にもグレードと言われる技術発展に貢献できるレベルの指標もあるのだが、こちらはクラス以上に曖昧でアテにならない。
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『 A組
〜〜〜
菠菜奈美
ハ三澤淡海
檜佐木菜緒
真坂海
宮兎夜白冨
村田泰斗
矢知宮衛士
黄泉賀谷竜太郎
〜〜〜 』
「ふぁ〜……眠」
組分けの紙を見つめ教室に向かっている最中だが、校舎がおかしい。明らかに
螺旋状に高くなびいた二対のビルに、それを繋ぐ長い長い渡り廊下。見た目はまさに、『DNA』の形をしていた。
どう見ても地震大国に建てていいものじゃない
「……耐震どうなってんだ」
「じぃぃぃぃりょくさぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
やかましい声と共に急に肩に衝撃を感じた
「いっつ……誰だお前」
「あぁ失礼♪ボクは天音葉音。エレクトリックオペレーションのバグ持ちさ♪ホークガスト博士の双子さん♪」
天音?
「……天音先生の?」
「イエス☆その天音。君と同じクラスだよ」
こいつ……男?女?中性的な顔立ちをしている。制服は男だが
「妹ちゃんはセントラル高校じゃないのかい?」
「あいつは女子校だ」
「君は——」
「うっせ。オレオマエキライ。」
「酷いなぁ、ただのファンなのに」
……うるさいなぁ
「お前が何をも——」
「さ、早く行かないと遅刻するよ♪」
背中を急にぐいぐい押して来た。面倒な奴に目をつけられた様だ
宮兎夜白冨ってのは俺の趣味の塊です。