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63 月へ

『注意』

 仮想通貨の投資には、高いリスクが伴います。投資に際しては自己の判断でお願いします。

 月、古来より様々な物語に影響を与えて来た地球の衛星、それが月だ。地球からの距離は平均三十八万四千四百キロメートルで楕円軌道を取るため時期によって大体二万キロぐらい長短の差が出る。

 七月四日に異世界の地球から俺たちは、宇宙船で月へ向けて出発した。時間短縮のため入念な機体チェックと第一エンジンである魔人セーレ四人衆を休憩させるのは月への放物線軌道に乗せた後にした。まあ、そのおかげで。


「ご、ご主人様。もうダメ、休ませて、ふう」

「ご、ご主人様、休みなしでフル稼働とかどこぞのブラック企業ですか。やっぱ俺の職場はいつもこんなダークでブラックで。ほんといいよな、呑気に壺の中で高みの見物を決め込んでる魔人どもは」

「ご主人様、ほんと俺は貧乏くじばっか引いて。あの時も、事故で塔が崩れたのは俺の所為じゃないだろうに、最速で飛んできた衝撃波で崩れるような手抜き工事した、岩石魔人とかの土木担当を罰しろよなあ、もうやってられない」

「ご主人様、ああ、もう辞めてやる、こんな職場。絶対辞めてやる!」

「まあ、ご苦労。壺の中で休め。褒美に、そうだな。ロノヴェ、セーレたちにマッサージでもしてやれ。ゆっくり休んでいろ」

「ご主人様、無体なご命令。ああ、私も死ねば良かったのに、あのとき勇気があれば。ああ、こんな愚痴だけ魔人に奉仕せねばならないとは、わたくし、情けないでございますぅ」

「うるさいぞ、ロノヴェ!今のところお前が役に立つのは身体を張って奉仕するくらいだろうが。みんなの福利厚生も重要な仕事だからな」


 管理職の聖なるお勤め、部下の愚痴聞きとガス抜き、複利厚生も終えたし。さてと、器材のチェックと。

 おや?なんで、復唱が聞こえない?船内マイクの故障か?


「むにゃ」

「おい、ネコ船長。こら起きんか!ネコ!」

「もぉ、食べられないにゃ。はっ」

「そうか、満腹か丁度いいな。船長としてあるまじき職務怠慢、これは当分食事抜きだな、食料の節約にもなるしなあ。月の調査に何日掛かるかわからんが、余裕を持たないとな」

「そ、そんなご主人、無体な。それに、遭難時には食事を摂っているかいないかでその後の生還率に大きな差が出るにゃ。人命に関わるにゃ、断固食事抜きは反対にゃ」

「わかったよ、罰は後で考えるとして。ちゃんとやれよ。あとアスタロト、お前もにやけた顔でネコの寝顔なんか眺めていないで。起こせよな」

「うっ、ちょっと可愛いと思っただけじゃ。それに、そんな義務はないわ」


 ビスクドールが猫にデレルとか、まあ貴重なものが見れたので良しとするか。


「まあ、なんだ。手順二十番からチェック始めるぞ。計器正常、船内気圧正常、予備タンク内圧力正常・・・第二エンジンテスト噴射、よし第二エンジン良好」

「二十チェック、二十一チェック、・・・百五十五チェック」

「はい、あなた。手順百五十五番まで問題なしだわ」

「了解にゃ、器材チェック終了にゃ。ご飯タイムにゃ」

「そうだな、食事にするか。アンドロマリウス、周囲の監視怠るなよ!」

「わかりました、ご主人様。目標軌道上に障害物等ありません、警戒続行します」


 月までおよそ三十時間か、待たせたな。


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