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132 交渉

今日は、エイプリルフール・・・・・・

兆利人なったら、別の辛さが。

結局、そういうもの。

 店の会計を済ませようと店員を呼ぶと、模擬試合中アナウンスを務めていた店長がテーブルにやって来た。

 すると、先ほど説明した通り娯楽替わりに出演してくれたお礼に今日の勘定は店側(正確には客から徴収するチップから支払われる。)が、負担するそうだ。

 まあ、郷に入れば郷に従えで有難く好意は受け取っておくが一つ気になることもあって店長と少し話がしたくなった。

「それは、そうとこちらのコンピュータはかなりの高性能だな。見聞を広げるためにぜひ見学したいのだが?」

「ああ、そういうことならそこに居るあなた方のベイビ(愛の結晶)に申し付けてくれれば大丈夫ですよ。こちらに滞在する限り、お客様のサポートをしますので」

「そうか、ならばε(イプシロン)この星のコンピュータの所まで案内を頼めるか?」

『はい、もちろん喜んで。お父様』

 なんだか役に立てて嬉しそうに微笑んでいるεの顔を見ると、視界の隅の方に負け犬状態で打ち沈むネコの姿が映ったがとりあえず無視しておこう。

「リュラーン、そこの役立たずの落ち武者猫はどうにかならぬのか?見ているとこっちの方まで煩わしくなっていかぬ」

「姉さん、今はほっといてやってくれ。男には独りで立ち上がらなければならないときがあるんだよ」


「こちらが、この星のコンピュータです」

 俺たちは、εの案内でコンピュータの前までやって来た。不思議なことに、ここに至るまでの経路が明確に思い出せない。何らかの心理的ブロックか何かが働いているようだ。

『ようこそ、いらっしゃいました。私のことは便宜上αβ(アルファ・ベータ)と呼んでください。ところで、ご用件は何でしょう?』

 コンピュータが歓迎と来訪目的を尋ねてきた。しかし、コンピュータルームというよりも洞窟の中に出来た広間という感じの所だな。

「俺は、乱導 竜。こちらが姉のキリュウ、そしてペット(手下)のネコだ。ここに来たのは幾つか疑問があるので聞きに来た」

『その疑問とは?私に答えられることなら、回答しましょう』

「まず、ここの住人達はなぜ、俺たちが来た地球の生物と似通っているんだ?あまりに似すぎているので偶然とは思えない」

『そうですか、私から言わせてもらうと一つの恒星系を丸ごと宇宙船として使用しているあなた方の方が信じられない思いがしますけどね。

 まあ、それは置いておくとして。これをご覧ください』

 αβの声に後ろを振り返ると、巨大な球体スクリーンに人間、魚類、昆虫、ライオン、虎などの様々な生物の姿が映し出された。

 そして最後に映し出されたのは、二つの拡大されたウィルスの構造図だった。


『左に示したのがこの惑星に過去存在したウィルスです。右に示したのがあなた方地球の大昔に存在したウィルスです。両者を比べるとほぼ一致します。これらのことから、生物進化に多大な影響をもたらしたウィルスが共に一致したため現存する生物もほぼ似通ってしまったと推測できます』

「なるほど、地球を昔から監視していたのか?」

『それは、知的生命体のいる星に興味を示さない者がいるとでも?』

 ふーむ、こいつは話せる奴かも知れないな。


「では、二つ目の質問だが。俺たちと取引をしないか?損はさせないつもりだが・・・・・・」

『ふむ、興味深い提案ですね。検討させていただくとしましょう』

「リュラーン、こんな奴と取引するつもりなの?」

「まあ、姉さん。悪い奴とでも商売はするもんだよ、裏切られない自信があるときはね・・・・・・」

「ふふ、悪い(ひと)ね」

 

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