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128 選別の戯

景気がどうの、相場環境がどうのと慌てるな。

しっかり先を見据えて、兆利人とはこういうものよ。

 生物の生殖行為には、子孫を残すことが全てでその過程での好悪、快楽などは一切意味を持たない。一般的な生物の進化では、と言っても表世界の地球における二一世紀の段階での話だが、進化に目的も何もなくたまたま結果があるだけと言われている。

 ある宗教では、たまたま通過した惑星にゴミを捨てたら後に生物が大量に発生して、管理監視対象が増えて|(面倒な仕事が増えたから)上司に怒られたと言う逸話が残っているらしい。

「・・・・・・ なるほど、今度は三種類の生物間で交配する惑星と監視対象が接触を持ったわけだな。くれぐれも我々の存在に気付かれないように監視を続けてくれ」

「了解、上陸班から報告は以上です」

 火星軌道上で周回する探査船の自室で、紅茶を一口すすると艦長は溜息をついた。

「ふう、このまま彼らに便乗すれば宇宙探査が楽になるなんて、部下には口が裂けても言えんよなあ ・・・・・・」

 かなり真面目にコバンザメ作戦を検討する艦長であった。


 急に店内のBGMが静かな曲調から、闘争本能を燻る旋律に変わった。

『さあ、迷える恋人たちの試練と選択の時間がやって参りました。今回は四角関係に悩む本日初来店のこの方々だ!』

 周りの照明が落とされると同時に俺たちの座る三角テーブルの周りだけに夜光虫又はホタルのような蛍光を放つ無数の虫たちが舞い飛び、淡く照らし出す。

・・・・・・ いきなり店内イベントが発生したみたいだ、それも俺たちが主役で?


『さあ、悩める恋人たちに先人の導きを示さんと立ち上がったのはこのカップルだ!』

 少し離れた三角テーブルに陣取るカップル席にもホタルの様な虫が舞い、明かりに映るのは美男、美女と大きな虎だった。店内では、歓声と拍手が巻き起こった。

「ふっ、伴侶の選択に迷いし恋の旅人に可能性の輝きを見せてあげようか。なあ、ミドリ」

「ええ、お任せするわ。アナタとお前にね」

「ゴァオー!」

 気障な美男子が相方の美女に問うと、当然のように受け入れ。そしてもう一人のパートナーである虎にも全幅の信頼を寄せている様子、そしてその信頼に応えるかのように重い咆哮で答える大柄の虎。


『さあて、もう相方が決まってるカップルは頼もしいね。では、一方の四人組は初めて見たいなので概略を説明するとしよう・・・・・・ 』

 ヘッドセット型のマイクを装着した店長が店内の客は既に知っていることだがと前置きした上で説明してくれた。


 この星では、環境変化に柔軟に対応するためなのか、いつの頃からかカップルは三人で成立し子孫を残していく。それは同じ種族の場合もあるし、一部が異種族の場合もある。 そして、相性を見るためにコンピュータのシミュレーションを行うそうだ。ごく稀に四角関係が(こじ)れたり、相手を決めかねる場合もあるが、そのときは先輩カップルと仮想現実(VR)の対戦ゲームを行って相手との相性などを見極めるのが一般的なのだそうだ。

 仮想現実ゲームでの対戦には安全措置が施されており、店内で偶に発生するイベントとして客には人気の娯楽なっている。

 参加者の飲食費は、他の客が支払うことになるのでWIN-WINの関係になっているそうだ。なら、風変わりなこの星の歓迎を受けてもいいか。


「じゃあ、最初は俺とネコ、それにムガットで戦うとするか」

「ちょ、リュラーン。私を除け者にする気?」


2021.4.5 誤記修正

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