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119 主従2

『注意』仮想通貨の取引には、非常に高いリスクが伴うの認識してください。

 投資に際しては、慎重に判断してください。

 兆利人への道は銀河よりも遥かに遠い、そういうことです。

 街外れの路地に黒く変色した血だまりが大きく二か所近接して残っていた。現場検証の写真を見る限り事件現場はここで間違いないようだ。

「ご主人、なんで殺し合うようなことになったのかにゃ。メスの取り合いだったのかにゃ?」

 ふーん、存外ネコの推理も的外れでは無いようだな。最近モテ期を迎えて色恋に余裕ができたのか。

 特に周囲の人間の話では二人の間に遺恨があるような感じは見受けられなかったらしい。街に設置された防犯カメラが事件当時故障していたのが少し気にかかるところだが・・・・・・

「うーん、これだけではなあ。しかし、ここはペットを連れた人が多いなあ。警官やガードマンにしても警備犬等を連れているし」

「そう言えば多い方なのかにゃ?それだけ平和で裕福な星なのかも知れにゃいにゃ」

「一旦戻って検視解剖の結果を聞いてみるか」


 ペネロペの応接室で香しい紅茶を飲みながら、検死解剖の説明を受けていた。

「胃の内容物から見ても、事件発生は夜明け前の五時から六時の間でしょう。精神に働きかけるような薬物や毒物は検出されていませんでした」

 神経質そうな担当者から、シミュレーション解析によって先に手を出したのがスコットで最後の力を振り絞ってアランが背中に刃を突き立て相打ちになったということだった。 二人の経済状況も特に不審な点は見られず、通信記録から台三者からの怪しげな指示を受けた様子も見られないらしい。

「ところで、付近の防犯カメラが故障していたそうだが。こういう故障は、しょっちゅう起こるのかい?」

「それについては、三台のカメラが共に事件の時間帯で何も映像を捉えていなかったのが不自然と言えば不自然なのですが。原因不明で今は復旧していますので・・・・・・」

「確かに不思議ね。もういちど、防犯システムの検証をお願いしますわ」

「は、了解しました」

「ところで、ペネロペさん。一つお伺いしてよろしいでしょうか?」

「はい、なんでしょう?」

「いえ、他愛のないことですが。アランさんとスコットさんはペットを飼っていましたか?」

「いいえ。たしか二人ともペットは飼っていませんでしたわ」

「ほう、なるほど」

「でも、どうしてですの?」

「いえ、他の星系から来た身としてはこの星のペット保有率が異常に高く思えたのでね。逆にペットを持たない人はどうしてなのかと思いまして」

「そうなのですか。私たちには、ペットと共にあるのが極当たり前なので多いとか少ないとかの感覚はありませんね。ただ、自然とペットを持つようになるので生きていたらあの二人も今頃ペットを得ていたかもしれませんね・・・・・・」


 夜明け前の路地裏に人影が二つ。細身のシルエットに長い髪、女性のようだ。もう一つの影は背が低いのでまだ子供、少年のようだ。

 二人の周りをまるで逃げるのを防ぐかのように取り囲む十数頭の犬や猫たちがいた。

 二つの影は、縺れ合うようにして地面を転げまわる。最初女性が上から押し潰そうとしていたが少年が跳ねのけ女性の首に手を掛ける。女性は必死にもがくが、少年は首を絞める力を緩めない。

 数分後、少年が動きを止めた女性の上から起き上がった。一頭の子犬が少年に飛び掛かり腕に収まると頬を舐めた。少年はくすぐったそうに、目を細めるとスキップしながら去っていった。

「なるほどな、そういう儀式なのか」

 俺が、白いペルシャ猫に問うと面白そうに笑った。

「異星のお客様、終わるまで待って頂いて恐縮ですわ」

「まあ、この星の文化や統治方法に旅人で商人の俺が異を唱えるのは思い上がりだろう。だが、商売に関してはペネロペより直接お前さんを相手にした方が話が早いようなので儀式の場に無粋にも現れた次第だ」

「そうですね、一応形式的にペネロペを立てますが。あの仮想通貨については私に直接で構いませんよ。わたくしは、カサンドラと申します。末永く御贔屓を」

「わかったカサンドラ、霊子レイス機能向上ソフトフォークも二、三日で完了するはずだ。これが完了すれば、光速を超えて銀河の距離を超えても取引が成立する。まあ、楽しみに待っていてくれ」

「はい・・・・・・」 

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