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変な人と会いました

タイトルに追われる毎日です。

キョロキョロと周りを見渡すが周りには自分しかいない。涙も止まってない。


まさかとは思うが一応「俺ですか?」と尋ねる。倉科麻里は周りをいたずらっぽく見渡して「他にいないでしょう。」って言った。

(なんだ?これ勧誘かなんか?こんな時間に。よりによってなんでこんな状態の俺に話しかけてくるんだ?)人に無関心な現代社会万歳って思ったからか?


とかなんとか色々考えていると、彼女は「私ね30分位前に此処に来たの。そのときあなたは泣いていて、一旦帰ったんだけど、なんか気になって戻ったらまだ泣いてる。明日は休みだし、ホームシアターで、海外ドラマにワインも飽きちゃって。おばさんの晩酌に付き合ってくんない?奢るから。」


本当は面白そう、退屈を解消できる何かになるかななんて思っていたのにもっともらしい理由をつけて、青年を誘った。


「え?いや無理です。」まぁそうなる。だが此処で引き下がるようならもともと来た道なんか戻らないし話しかけもしない。


会社で揉まれた口先八寸で畳み掛ける。「でもずっと泣いてるみたいだし、誰かに話した方が楽な場合もある。けど、それをしないのは知り合いとは話したくない、話せないからかなーって。それなら知らない人に愚痴でも吐いたら楽になるかなーって思うんだ。」


営業スマイルが炸裂し、合間に「寂しい30女に若者が付き合うのは社会貢献、2時間いや、1時間でいいから、悲しいときは美味しいもの食べてあったまった方が絶対いいよ。」


などなど青年が「あっ」とか、「えっ?」とか言ってる間に、更に畳み掛けていう。10分ほどのプレゼンテーションが終わる頃彼は諦めた。


はたから見たら逆ナンにでも見えるかもしれないこの光景は倉科の勝利でで幕を閉じる。


「じゃあ行こうか。えーと君名前は?私は倉科麻里。貴方は?偽名でもいいよ(笑)」「山野浩司、本名です。」「OK、じゃあ行こうか。」


彼女がベンチに置いたビールとワイン(多め)を持とうとすると、本当に自然にまだ少し泣きべそかいた山野がすっと荷物を持った。


持ちますよなどの言葉もないが持った後はすぐにどっちですか?なんて聞いてきて、若者にしてはなんとスマートな。なんて思って少し感心していた。


「じゃあ1度荷物だけ家においていいかな?通り道だから。時間なかったりする?」「いえ、特に予定は無いんで大丈夫です。」そんな会話の後2人はやっと目的地へ歩き出した。


道中はあまり話さなかった。核心はつかず天気の話などして、家まで10分ほどの道を歩き倉科は思いついた様に「えーと誘っておいて何なんだけど、15分いやっ10分だけ貰っていい?」と倉科がいい「大丈夫ですよ。待つのは慣れてるんです。」少し落ち着いた山野が言った。


待つのは慣れてる。その言葉も気になったが倉科は「逃げないでね (笑〕」と言って急ぎ部屋に帰り荷物を置き、高速シャワーにオイルクレンジングをして着替えてマンションのエントランスで待つ山野の元へ向かった。


彼は生垣のところに腰掛けていた。元々こじ付けだったけど、こういう時はやはり人と話すのがいいのかもしれない。彼の顔は少し落ち着いて見えた。


倉科が「お待たせ。遅くなってごめんね。」と言った倉科の方を見てキョトンとしている。(誰だこの子。誰かと間違ってるのか?)「ちょっと何ぼーっとしてるの。」倉科が聞くと「へっ?」と間抜けな声を出すそしてその後出会ってから初めて山野は堪えるように笑い出した?


(えっこの人倉科さん?大きい赤渕メガネにスウェット。すげー童顔ニット帽って、すっぴん?なんだっけ?ア○レちゃんだっけ?似てる。)「あっ、もしかして、私見て笑ってる?いるのよねーすっぴん見て幻滅するやつ。女の敵だわ 〔笑〕」

「いや、ちがっ!・・」(確かにそうだけど幻滅とかじゃなくてなんかギャップがツボに)慌てる山野を見てニヤッとして「いいよ。笑える時笑おう、元気でるし。休日はオシャレも休憩って決めてるんだ。だけど絶対会社の人には見せられないわ。コレでも出来る女で通ってるんだから!」


ふふんと得意げな顔して、2人で顔見合わせてクスッとした。「行こうかすぐそこの店だから。」倉科が言ってまた5分歩き、看板が見えた。


「ここ、ホントすごい美味しいの。」小料理屋”深雪”なんて読むんだろう良さそうな雰囲気の店だな。なんて山野が思っていた。


ガラッと木の引き戸を開けると、「いらっしゃーい❤︎❤︎」可愛らしいイントネーションしかし確実に野太い声が聞こえてきた。「みゆきちゃーん久々!」少しご機嫌な倉科がいって、山野は驚く!みゆき?なんかの呪いかと思う。そして声の先には筋骨隆々な女性?がいた。

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