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ある男の陰謀

会社編、倉科が山野と住んでいることがバレ、左遷されたが山野たちと共に、地方の営業所で奮闘し、カムバックする話しを書いていましたが、お仕事小説になってしまうのでやめたものです。

その言い訳を短いですが作品にしました。

聞いたぞ。見たぞこっそり録音もしてやったぞ。残念会が打ち上げに変わった居酒屋にその男はいた。


「あの倉科が男と住んでるとはな。あいつは女のくせに仕事ができて、それも先輩の俺に意見までして生意気だったんだ。家賃代わりに家政夫とか言ってたな。金で若い男を囲ってコネでプロジェクトチームにも入れたとかにしておくか。」


男はにやりと笑った、これを倉科をよく思わない違う局の部長あたりに教えれば、あいつも終わり俺の出世の道も開かれる。そう思いながら家に戻りニヤニヤとしていた。待てよ・・(もしあいつが処罰を受けるとしても最悪でも降格くらいか?ゆくゆくはそのポストに俺がつく可能性は・・・無いな。)


酔いが覚めてきたのか冷静になってくる。(それにもし左遷とかはなく、減給等ですんでしまったときに、もし告発したのが俺とバレたら・・・)男の脳裏に威圧感充分な倉科部長がよぎる。男は想像力豊かにシミュレーションした後に青ざめ、「やーめた。」といって録音データを消した。


「こんなのは男らしく無い。それに最近倉科のやつも前より少し柔らかくなったし、あの山野とかいう若造の影響ならそのままの方がいいよな。」と独り言を言いながら、ベッドに1人はいった。「ビ、ビビったわけじゃ無いぞ。倉科、おれがいい人でよかったなお前は命拾いしたんだ。」とまたも天井に向かって独り言を言い「あーあ、おれも彼女欲しいな。」と最後につぶやき寝息を立てた。

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