ハッピーエンド
ひとまず完結となります。数話ほど番外編的なものを書かせていただきますのでお付き合いいただければと思います。
家に着いて「じゃあちょっとお風呂はいってくるね。」倉科が席をはずす。山野は大急ぎで仕込んでおいた料理と、テーブルクロスもセットしてムードを作る。倉科がふーってビールを2本持ってシャワーを済ませてきた。いつものスウェットに眼鏡で。
「何これ?今日ほんとなんかあった?変だよこれ?」テーブルにはレストランの様な料理が並び真ん中には花とアロマキャンドルまで置いてある。「嬉しくない?」って山野が聞いて「いや、めちゃくちゃ嬉しいけどなんか記念日?私忘れてる?」ってちょっと焦ってた。
「まりさんお話があります。」家での突然の敬語に身構え「は、はいなんでしょうか?」つられて倉科も敬語になる。
「まぁ落ち着いて(笑)」「はい!」と、ちょっと面白い。山野がグラスにワインを注ぎ食事をはじめながら「出会ってからもう2年と少しになるね。まだまだ半人前だし、頼りないと思う。だけどあの時まりに拾ってもらって本当に良かったと思ってる。ありがとう感謝してる。」
自分が記念日を忘れたのでは無いことでホッとしたのか「なんだそういう意味合いのこれ?いいよ今更それにもうすっかり一人前だよ。」倉科が笑って言うと山野はキッチンの方に行き、隠してあった花束を渡した。「これからもまりとずっと一緒にいたい。結婚しよう。」
突然のプロポーズに倉科は赤くなり泣いているのか下を向き少し震えていた少しして「どうしたの?突然何よ?ホントに私でいいの?年上だし上司だし可愛くないし。」と自虐し始めた。「まりが好きだよ。愛してる。他の誰かなんて考えられない。結婚・・してくれる?」と不安げに山野が聞くと「よろしくお願いします。」と嬉し泣きしながら頷いた。
「小岩井さんから聞いたゴメンね不安にさせて。もう絶対不安にさせたりしないから。」ポケットから婚約指輪を取り出して、倉科の指に付けた。「ブッカブカー何よこれ?」と嬉しそうに泣きながら悪態をつく。「いや大きい分には付けられるし後で直しきくって言うから。」山野がちょっと焦っているとスッと倉科が立ち上がり山野にキスをした。「私も浩二が大好きだよ。」って最高の笑顔で言った。山野が倉科に抱きつき「このまま押し倒していい?」って聞くと「料理が・・あとワインも。」倉科はいたずらっぽく焦らした。
「また温めればいいよワインもまたいくらでも・・・は無理だけど買うから。もうなんか色々愛おしくて。」「実は・・・私も 笑 」と2人が言った後の事は皆様の想像にお任せします。週明けに左手の薬指に揃いの指輪を付けた2人に皆が驚いたのは言うまでもない。
そして一応後押ししてくれた小岩井に2人で報告に行った。「あの、おかげさまでこういうことになりました。」小岩井は焚きつけた癖に驚いて、その後大笑いした。
「確かに言葉にしろとは言ったよ。あんたが好きとか愛してるとか言ったことないし、付き合おうとも言ってない。(深雪で話した後なしくずしな感じだった)だからまりが不安みたいだって話もした。
だからちゃんと言いなさいって意味で。結婚を前提に真剣になりなさいって意味で。ククッいきなりプロポーズとか。」
「あー!そういう意味だったんですか?だから大袈裟じゃないとか軽い感じでとか・・・」山野が自分の勘違いに気付いて赤面した。「まあいいんじゃない?結婚する事に後悔ないんでしょ。いずれするんなら早い方がいいし、おめでと。」3人は顔を見合わせてクスって笑った。
遠くの空に「このクライマックスに私の出番はー⁈流れ的にそういう報告は深雪じゃ無いのー⁉︎」と切実に叫ぶ天使の声が聞こえた気がした。
ある時田舎のコンビニ前に不幸な男がいた。ある時退屈をしている女がいた。女は好奇心から男を拾って家に住まわせた。男は甲斐甲斐しく女を世話した。恋愛にトラウマのあった二人が紆余曲折ありお互いに惹かれ合い末永く幸せに暮らした。ただそれだけのお話。
8月からハイファンタジーに挑戦してみます。
村人勇者〜転生しなくても勇者になれた?
現在プロローグのみ投稿してますのでそちらもよろしくお願いします。
最後まででも1話だけでも、呼んでいただいた全ての方々に感謝します。ありがとうございます。




