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宴もたけなわ

飲み会編は終わりです。

「じゃ、じゃああの時計のCMも?」

「あれは地方の予算の少ない仕事だったからコピーライターも居なくて、まりが考えたのよね”1秒1秒にはドラマがある”(笑)」

「そこの動画とセリフのところ1番好きです。」山野が憧れに出会って興奮している。


倉科は未だ照れているが「ちょっとやめてよそれを言うなら、”貴方の1ドラマを刻む凡田時計店”を考えたのはだれだったかしら?」と、小岩井を黒歴史?に巻き込もうとする。


小岩井が笑って「そ・れ・もあなたよ。私はあなたの時間をとか無難に言ったらあなたが考えたの。若かったわねー(笑)」小岩井を陥れるつもりで「あっ」と言い頰を赤く染めた。


山野が尊敬の眼差しをキラキラさせている。天使は他のお客様の相手で蚊帳の外だが、面白そうなのはわかるのか、チラチラにやにやこっちを見ている。


「じゃああのCMの・・・」と山野の質問攻めが止まらないところで、「そろそろ今日は閉めるからね」と天使が言った。「えーまだいいじゃん。」小岩井が言うと「今日はだめ!某所の2丁目で会合があるから。」・・・何の会合かは聞かないでおこう。


時間は夜の23時。本来田舎の小料理屋が閉まるのはそんなに問題の無い時間だ。うなだれる小岩井に一息つけて助かったーという倉科、興奮冷めやらぬ山野と三者三様だった。


「ちょっと待ってて、どうせまだ飲むでしょ?これこうちゃんのバイト代 笑」天使が裏から高級な日本酒を2升くれた。宅飲みが決定した瞬間だった。


その後はまだ倉科をイジれる喜びのことに気を良くした小岩井と、興奮した山野の質問攻めがあって倉科が照れ尽くした事は言うまでもない。


飲む時にもし友達が来た時にと山野があらかじめ用意してあったレンジで温めるだけおつまみセットと、その後たらふく飲んで次の日に目覚めると山野が起きており「飲み過ぎましたね。」なんて言いながら出したしじみの味噌汁で、舌鼓をうった小岩井が「この子ちょうだい!」と言っていたのは割と本気だった気がする。


胃袋を掴まれるというのは男女問わず共通だなーと思って、倉科は笑えた。

「とりあえず2人の関係はわかった。Cellarファンの子を邪険にするわけにいかないし。また来るね今度はダンナ連れて。リクエストはこーちゃんの唐揚げかな。」なんて最後までふざけた存在のまま小岩井は帰っていった

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