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雪兎・誰?

〜雪兎〜



雪兎を作った。

譲葉を耳にして、南天の実を目にして。

真っ赤な目は、まるで寒さで凍えているように見えた。

そういや、僕のおてても真っ赤だ。


「そろそろお家に入りましょう」


母さんは僕の手を引き、家に向って歩き出す。

僕は雪兎が寂しいんじゃないかって気がかりで、家に入った後もずっと庭の雪兎を見てた。

雪は降り積もる。雪兎も雪に埋もれてゆく。

とうとう譲葉の先っぽしか見えなくなった。

雪に埋もれた雪兎、そのうち本当の兎に見えてきて、可哀想で切なくて。


翌朝、父さんは僕に言った。


「一緒に雪兎を作ろうか」


僕のと父さんの合わせて2匹。

これならもう寂しくないね。





〜誰?〜



いつものように迎えた朝は、いつもと違っていた。

どこかが違う、何かが違う。

けれど具体的な違いが分からない。

妙なモヤモヤを抱えたまま僕は自分の部屋から出てリビングへ向った。

どうやらいつもと違う何かを感じていたのは僕だけではなかったらしい。

父さんも母さんも上の空。

父さんは新聞を逆さに持ってるし、母さんは玉子を焦げつかせてる。

会話の無いまま時間が経過し、母さんが父さんの前に焦げた玉子焼きを置いた。

何故か僕の分は無い。

ここで母さんがようやく口を開いた。

「あの子ったらどこに行ったのかしらね?無断外泊なんて今まで無かったのに。」

あの子とは僕の事である。

ジャア此処ニ居ル僕ハ…?

「雪兎」はに落選しましたが「誰?」の方は東京新聞300字小説に受かり、掲載されました。少し自信がついたので、これからも頑張っていきたいと思います。

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