雪の日に・私闘
―雪の日に―
雪が降ると子供達は外に出て嬉しそうにはしゃぎまわっている。
人間ならそれでいい。
だって暖かい格好で、ちゃんと靴をはいて遊びに行ける。
でも僕は違う。
僕だってこんな日は遊びに行きたい。だけど行けない。
洋服は着られないし、靴なんてもってのほかだ。
体は冷えるし、足の裏が冷たくてしょうがない。
だからこうやって炬燵で丸くなっているしかない。
僕の隣ではお父さんが新聞を読んでいる。
時々、外で無邪気に遊んでいる子供達をちらっとみては、どこか懐かしそうな顔をする。
きっと自分が子供の頃を思い出しているのだろう。
ふと、お父さんの視線が僕に止まる。
「本当に“猫は炬燵で丸くなる”だなぁ。」
―私闘―
舞う。とにかく舞う。
舞うように、敵を切り裂いてゆく。
これは私の戦場。見方なんて誰も居ない。
なんでこんな戦いをしているのか、それは自分のためだから。
私が折れたらここで“END”
私はこの戦場にて希望を背負い、敵と戦うの。
倒した敵は積み上げられる。この光景は私の勲章。
こんなにも山が出来て、もう足の踏み場もないくらい。
それでも私は敵を倒さなければならないのだ。
「ちょっと、アンタは!こんな所で居眠りするくらいなら早く布団に入りなさい」
母の声がした。私は目を覚ます。
机の上に積み上げられた無数の問題集。
これは全部“済”。私が勉強してきた勲章
これだけ問題集と言う名の敵を倒しても未だに敵わないものがいる。
“睡魔”と“母”。
まだまだ未熟だと思う高校3年の冬。
まだまだ先の春到来。




