俺の情けない死に方をとくとご覧あれ!・・・泣いてなんかないぞ?
勇者とは、誰もが恐れる困難に立ち向かい偉業を成し遂げた者、または成し遂げようとしている者に対する敬意を表す呼称として用いられる。武勇に優れた戦士や、勝敗にかかわらず勇敢に戦った者に対しても用いる。らしい。wikipedia参照だから決定的な間違いはないはず・・・!
かく言う俺、言霊零進も勇者に部類される。そのすべてがある男のせいなのだが・・・。そんな俺がある日突然の死を迎える。
事は俺の一世一代の人生を掛けた大学からの帰りの事だった。
その日俺は一生懸命勉強して必死こいて何とか入学した大学の入学式の帰りだった。
家の暗黙の了解のなかに一発で大学に合格。そして大学までは必ず卒業するというものがあるのだ。落ちた日には俺の人生は終わりを告げるのではないかというほどの圧力の笑みを家族にされたのだ。
・・・・・落ちるわけないだろう・・・。命がかかってるんだ。そりゃこれまでにないほどに勉強したさ。周りが自然と離れていくぐらいな!おかげでボッチじゃこの野郎!
めそめそとキノコ生やしながら泣き出したい衝動に駆られながらも進める足を緩めない。
なぜなら、後ろから俺の不運の元凶の男がついてきているのだ。俺はこいつと離れるために今の大学を選んだ。元々頭で言えばそこそこの大学になら余裕で入れるぐらいなのだが、流石に頭の良すぎる学校というのは不可能に近かった。しかーし!俺は田舎者だ!大学と大学の距離が近い!
なので、後ろで「おーい!零ー!」と五月蠅く騒ぐ野郎、日野辰巳から徹底的に離れることができない!だから!俺は死にもの狂いで頑張った!他県の学校に行くために頑張った!一人暮らし用の資金、こんな超頭いい奴らの集まる学校じゃねーと出してやらんって言われたから!超頑張った!なのに!なんで!なんでいる!
あ・・・!信号!ちょ!まって!赤信号待って―!
と、体力皆無な俺の本気の走り。
そんなもの物ともしない辰巳の突進が重なる。
受け身知らねーしだからとれねーし!
体が垂直に倒れていく。自慢じゃないけど俺バランス能力と体力、そして咄嗟の判断力皆無だからね。しかも悔しいことに俺身長150cm台だからね?それに対して辰巳はなんと!2ⅿ台!そりゃ倒れるわ!しかもちゃっかり自分は体制立て直して突っ立ってるし。
(あ・・・やべぇなこれ)
そんなこと考えていたらゴツンとやけに響く音が響いた。
やけに頭が痛い。しかも頭上に|(いや、これ本当の頭上ね)俺に気付かなかったのか車が、前進した車が通った。頭が潰れた。うん?車って発進したばっかの状態で人の腰部破壊できんの?とか思ったのは一瞬で、別の想いが俺の中に広がっていく。
・・・・・一片俺のように死ねこの野郎――――!
辰巳に対しての恨みが一瞬。思考の切り替えよりも早く、染まった。