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ユメ郵便局はじめました  作者: 杉内あやさ
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第一通 謎のチラシ

読んでくださる方の心に何かが残る。

そんな創作が出来たらと思います。

目覚ましが鳴る。

唸るほどに暑い朝。

じっとり湿った肌がなんだか愛おしい。

私は、夏にかく汗が好きなのだ。


のそりと、玄関の扉をあける。

そして郵便ポストに向かうべくエレベーターに乗る。


901号にある私の部屋。

一目惚れして借りたのはこの部屋。

エレベーターには、大学生が乗り込む。

4階に住むあまちゃん学生だ。

挨拶すらしない。

このマンションは、市内の中心部にあるなかなか高価なものなのだ。

憶測だが、お金持ちのボンボン。

私大に通っている。

そして、とっかえひっかえ女を変えていることを私は目撃してきた。

そういう気まずさゆえに、マンションの他住民に対してよそよそしいのかもしれない。



寝ぼけた私が郵便ポストを開ける。

本日の朝刊。

携帯電話の請求書。

チラシ

チラシ

またチラシ。

その間に挟まっていたのは、綺麗に三つ折りにされた一枚の紙だった。


白いA4判のその紙を開いてみると、

『ユメ郵便局はじめました』

の文字。


…ユメ?

子どもじゃあるまいし。


そんなことよりも、急がなければ会社に遅刻してしまうんだから。

現実の時間は、私を常に監視し、追いかけまわす。いつも、いいなりだ。いつか勝ちたいと思うのだけれど勝算はない気がしている。


私は、県内にあるとある大学の事務職員で実家は近いけれど一人暮らしをしている。

その家賃のため、衣服代のため、食費などのために、要するに普通に生きるために懸命に働くOLなのだ。


たまに思う。

夢があったな。

大学時代は、カラフルに輝いていたな。

何だったっけ?

白と黒とあと少しの色に染まる私の私生活と会社とを行き来する日常。


落としてきた色は何だった?

削り落とされた?

切り取られた?


いや。

私が、自ら選んだこの道にとっては不要だっただけなのかもしれない。


そう信じて、今日まで生きてきた。


夢という言葉が嫌いだった。

なぜなら、その先には苦しさしかないかもしれないから。

私は、大難よりも小難を選ぶ小心者なのだ。

夢を叶えるには、危険が伴うだろう。そんなことは、誰かに教えられなくても分かっていたから。


でも、このチラシが気になる。

A4判の白紙に、

さっきのフレーズが黒い

明朝体でかかれていただけだったから。


Wordでゆうならば、18ポイントぐらいの大きくはない文字。


受け取るものに、全く媚びていないチラシというのは初めて見た気がした。

大概は、イラストや写真入りだったり目立つような工夫がされているのだけれど。


モーニングコーヒーを読みながら、そんなことを思った。


…やべっ、遅刻する。


このチラシを気にしつつも自転車に飛び乗る。


いつものように仕事を終え、同僚とランチを食べ、それまで、パソコンを睨みつける。18時に退社。

今日は、ノー残業デーなのだ。


ありがとうございました。

次も頑張って書きます!

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