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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

ウェ~イ!!オタク君、見てる~?w

作者: みぎゃー
掲載日:2026/05/13

まず、ジャンルを何にしようか迷った(笑)その挙句、Blにせざるを得なかった。まぁ、とにかく悪い事は言わないから、BL好きじゃない人達も読んでみて。特にこのネットミーム知ってる人は、是非w

それはある暑い日の出来事だった。


とある部屋の一室で、軽薄そうな金髪の男性(チャラ男)と

大人しそうな長い黒髪の女性が並んでソファに座っている。


男性は明らかにテンションが上がっている様子で、

手にはピースサインを浮かべている。

口元は開き、こちら側に何かを伝えようとしているのがわかる。


女性はそれとは対照的に内股で顔は俯いており、

この状況に申し訳なさや後ろめたさを感じているのが読み取れる。


二人の前には三脚に取り付けられたカメラが置かれており、

どうやらこの状況を撮影するつもりらしい。

しかし二人の温度差は火を見るよりも明らかであり、

それぞれの撮影に対する意欲のベクトルが真逆のようである。


いよいよカメラのセルフタイマーが残り1秒を切り、

撮影開始の合図の「ピロン♪」と言う音と共に、

カメラの撮影モードを示すランプが赤く光る。

男性はニヤリと笑い、女性は一層顔を俯けた。


次の瞬間、男性の口から最初の一言が放たれる。


「ウェ~イ、オタク君、見てる~?」



挿絵(By みてみん)

楽しそうな男性と気恥しそうな女性


その口ぶりは勝ち誇ったようであり、男性の圧倒的余裕が感じられる。

そして女性は相変わらず俯いて恥ずかしそうにしている。


そして男性が言葉を続ける。


「今から、キミの好きだった子と~」


男性はここで言葉を一旦止めてタメる。

口元には更に深い笑みが浮かぶ。

そして、次の言葉を放つ。


「めっちゃ、気持ち良い事しちゃいたいと思いま~すww」


それは画面の向こうで数日後、取り返しの付かない状況に涙しながら

それでも画面を注視せざるを得ない者に対する最大の侮辱だった。

しかし今回は、そのビデオレターを受け取る相手の状況が違った。


この男性はこの撮影時点では知らなかったのだが、実はもう既に

このビデオレターを受け取る予定のオタク君はこの世にいなかった。

当日の朝、道路に飛び出した子犬を庇って亡くなっていたのだった。


ビデオレターを受け取る予定だった男性『オタク君』の魂は、

まだ現世を彷徨っており、この撮影現場に居合わせていた。


「ハァ、まだこんな事やってるのかよ。

 こっちはもうとっくに死んでるんだっつーの。

 大体、この子の事を好きだったのは今年の春くらいまでで、

 それからはクラスのギャルが好きだったし。ったく、

 情報が古いんだよ。ボクが落とした消しゴムを拾ってくれて、

 その時に胸元が見えて好きになっちゃったんだよね。

 ま、このチャラ男はそんな事も知らないんだろうな。」


オタク君は冷静にチャラ男を憐れんだ。


チャラ男が隣の女性に声をかける。


「ホラ、お前からも言ってやれよ。

 今からオレに抱かれて、オタク君になんて興味ねーってさ。」


女性は俯きながらも、そう促されて少し声を絞り出した。


「あ、あの・・・私の事、好きだったみたいだけど、ごめんね。

 私、チャラ男君に・・・処女を捧げます・・・。」


女性は勇気を出して、冷酷な事実をカメラに向かって告げた。

しかし、オタク君はそれを見ながら思う。


「あらー、まぁ正直もうボク死んでるし、どうでも良いけどさ。

 もっと自分を大切にしなきゃだよ。

 大体この部屋、ベッドも無いしソファだけじゃん。

 こんな環境で初体験をするとか、むしろ同情するよ。」


オタク君は既に達観していた。

現世の快楽というしがらみから解放されて、肉欲はとうに無い。

オタク君は、バカらしくなり、この場を離れようとした。

その時だった。━━━


「・・・コレで、良かったんだよな?」


チャラ男の口が開いた。


続けて女性も意外な言葉を口にした。


「多分、これが供養になるんだと思う。

 彼も私への未練を抱いたままじゃ、成仏出来ないと思うから。」


オタク君はひどく動揺した。


(え、今何て言った?成仏?どうして、ボクが死んだ事を知ってる?)


女性が続けた。


「今朝、キミが死んだってニュースで知って。

 密かに私に思いを寄せている事を知っていたから、

 このままじゃ死んでも死にきれないだろうなって。

 それで、こんなビデオレターを撮るように、

 お兄ちゃんに頼んで・・・。」


チャラ男が更に言葉を続ける。


「おい、早紀、泣くなよ。

 確かにこんなの、届くワケも無い。

 単なる自己満足かも知れないけれどさ。

 それでも、もしかしたらどこかで見ていたら、

 諦めが付くかも知れないだろ?」


女性がここで、ハッとある事に気が付いて焦る。


「あ!でも、もし見てるとしたら、

 私、お兄ちゃんって言っちゃった!

 この撮影が作りモノの演技だって事、バレちゃう!」


チャラ男がそれを庇う。


「いや、これが届くなんて事は実際には無いよ。

 人は死んだら無に還るんだ。

 だからこれは、早紀の気持ちを整理するための茶番だ。

 さぁ、早紀、撮影機材を片付けようか。」


オタク君はこの光景を見ながら、何とも言えないような気持ちになった。

彼女はまだ、自分の事を好きでい続けられていると思っていて、

それを諦めさせるためにこの撮影を行った。

しかしそもそもオタク君自身の気持ちはもう彼女に向いておらず、

このビデオレターは単なる彼女の心の整理のためのものであった。

そしてその協力を兄に頼んでいた。

どこまでも不器用な女の子だったんだな、とそう思った。


━━しかし、ここで彼女が突然チャラ男にとんでも無い事を口走った。


「待って、お兄ちゃん。

 私、せっかくここまで用意されたから言っちゃうけど、

 お兄ちゃんの事がずっと好きでした!!

 ねぇ、お兄ちゃん、私をここで、抱いて。」


「!?」

「!?」


現世のチャラ男兄と、霊界のオタク君がまるでシンクロしたかのように、

同時に激しく驚いた。

無理も無い。演技として用意されたこの場で、彼女はまさかの、

実の兄への突然の告白、更にはこの状況を利用して、

初体験まで済ませてしまおうとしている。

チャラ男とオタク君の動揺は相当なものだった。

オタク君は見ているだけだから、まだ良い。

しかしチャラ男、つまり彼女の兄は、この場で彼女に対して

何らかの返答をしなければならない状況だ。


「早紀・・・お前、そうだったのか・・・。

 だから、よくオレが入った後のトイレで深呼吸していたり、

 耳掃除した後の綿棒をコレクションしていたのか・・・。」


なんと彼女は、兄が好きだと言うだけでは留まらず、

世間一般的に見ても相当なド変態性癖だったようだ。

オタク君はそれを聞きながら、ドン引きしていた。


「だけどな、悪い。その気持ちには答えられねぇよ。」


冷たく、チャラ男兄が返した。当然だろう。

実の妹とそんな関係になれる人間など、一般的には少数派だ。


「オレ、女は恋愛対象として見れないんだ。

 せめてお前が弟だったら良かったのにな。」


「「いや、そっち!?」」


オタク君は霊界から、盛大にツッコんでしまった。

どうやら自分と全く同じ反応を彼女も返したようで、

声が重なって聞こえた。


しかし、彼女も負けていなかった。

衝撃の事実を語り始めたのだ。


「あ、お兄ちゃん、知らなかったんだ?

 ボク実は、男の娘だったんだよ?

 一緒にお風呂入ったりも無かったし、

 学校側には女の子として扱うように言っていたし、

 両親も配慮してこの事は誰にもバラしていなかったから、

 お兄ちゃんが気付けるはずも無かったよね。ごめんね。」


「「え?え?え?」」


今度はオタク君とチャラ男兄の言葉がシンクロ率2000%を超えた。

どんでん返しに相次ぐどんでん返し。

心配して見に来た神様が、オタク君に告げる。


「あ、ごめん。お前まだ死ぬ予定じゃなかったわ。

 だからこの場で生き返らせてやるわ。

 儲けモンの残りの人生楽しめよ。じゃあな、バーイ。」


オタク君は動揺なんてモノじゃないくらい、自我が崩壊しかけた。


「ええええぇぇぇぇぇっぇっ!!!???」


━シュゥゥウゥッゥゥーーーー━


オタク君の体が突然、

ドライアイスのような蒸気と共にこの場に実体として現れた。


チャラ男兄と妹(弟)はそれを見て一瞬目を丸めたが、

すぐに自分達の世界に戻り、兄が口を開く。


「え、お前弟だったの!?じゃあ、全然アリじゃん。

 良いじゃん、この場でヤっちまおうぜ!!」


かつて妹だった弟が応える。


「お兄ちゃん、やっと、一つになれるんだね。

 あ、でもさ、初めては撮影して映像に残したいな。

 出来れば、色んなアングルからさ。

 でも、カメラ三脚に固定してるから無理かな・・あ!」


もうこうなると、皆様お察しの通りである。


「オタク君、撮影してよ!

 お礼に、オタク君のオタク君、可愛がってあげるからさ!」


しかし、オタク君も言われるがままばかりでは無かった。

彼にもかなりこじらせた性癖があったのだ。


「良いよ、撮影はしてあげる。

 だけどボクには実は誰にも言っていない、

 かなりこじらせた性癖があってさ。

 『自分が思いを寄せていた女の子が実は男の娘で、

  しかも彼女は実の兄が好きで、

  その初体験の場に立ち会って見せつけられる』

 って言うシチュエーションがブッ刺さるんだよ。」


オタク君は、とんでもなくオリジナリティに溢れた性癖を持っていた。

チャラ男兄が言った。


「よし、OK。じゃあ、お願いしますね、監督。

 最初のセリフ言うんで、それがリテイク無しなら、

 そのままオレら、プレイ始めちゃうんで。」


オタク君は監督と言われて悪い気はしなかった。

彼は三脚の前に立ち、声をあげた。


「よーし、じゃあ撮るよ。3,2,1,アクション!!」


チャラ男兄は、リテイクなんてあり得ない、最高の一言を放った。


「ウェ~イ、オタク君、見てる~?

 今からキミの好きだった子と~、

 良い事しちゃいま~す♪」


その日の空はどこまでも高く晴れた青空で、

天から見守る神様は人々の平和を見守っていた。


おしまい。


挿絵(By みてみん)

弟と良い事を始めようとしている男性

まぁ、感想でも頂ければ何か次作ろうと頑張れます(笑)

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