表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百の通知が鳴る夜に  作者: 葛城ログ
第一章 現代テクノ怪
4/53

第4話 顔認証が認識しない誰か

 Yは最新型のスマートフォンに買い替えた。顔認証の精度が高いという触れ込み通り、一度の登録で、ロック解除はスムーズにできていた。


 だが、ある日ふといつも通りにスマホを覗き込んだYに、画面がこう告げた。


 「本人ではありません」


 何度角度を変えても、照明を変えても、解除されない。眼鏡や髪型を変えたわけでもない。鏡を見ると、顔に違和感はない。


 仕方なくパスコードで解除したYは、顔認証の履歴を確認してみた。


 そこには、昨日までに認証された顔写真の記録が保存されていたが、今日登録された新しい顔——

 どこか“似ているが違う”顔が一件追加されていた。


 目元がほんの少しつり上がっていて、鼻筋もYより少し細い。そして、何より違和感を覚えたのはその表情だった。


 にやり、と笑っていた。


 不安になったYはスマホのカメラで自分の顔を撮ってみた。すると、シャッター音もなく、勝手にカメラが閉じられ、代わりに“写真”フォルダが開いた。


 そこには新しいフォルダができており、タイトルは「Yもうひとり」。


 中に入っていたのは、全く記憶にない自分の写真。夜の公園で、寝ているような顔、ベッドの中で、後ろから誰かに覗き込まれている姿——。


 そして最後の1枚には、玄関のドア前に立つ「もうひとりのY」が写っていた。笑っていた。


 その日以降、Yのスマホは毎晩午前2時に起動し、顔認証が自動的に作動するようになった。


 誰の顔を認証しているのか、Yにはわからなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ