表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百の通知が鳴る夜に  作者: 葛城ログ
第一章 現代テクノ怪
1/53

第1話 接続履歴のない声

現代の要素を取り込んだ百物語を書いていきます。

第一章ではこの短編集がどのような形で進めていくかの試金石として書いています。

更新頻度を固定できませんが、ゾッとできる話を書いていこうと思います。

よろしくお願いします。

 Kは会社のWi-Fi監視ログを確認していた。深夜に誰もいないはずのオフィスで、**「音声通信中」**という異常な記録が残っていた。


 接続デバイスは「0」。あり得ない。しかも、毎晩2時ちょうどに通信が発生している。


 試しに録音装置を仕掛けてその日は帰宅した。

翌朝、監視ログを確認すると深夜2時ちょうどに録音ファイルが追加されていた。

しかしファイル名はなぜか「Kへ」。

再生すると、かすれた女性の声がノイズ越しに囁いていた。

短いメッセージで


 「……きこえる? 寒いの……まだ、待ってるよ……」


不気味に思いつつもファイルを消して業務に戻った。

その晩、スマホに通知が届いた。


 「“きのうの声”が届いています」


 再生すると、Kが誰かと電話する音声だった。しかし、そんな記憶はない。そして、最後に女性の声がこう囁いた。


 「……また電話しようね、今度は……会えるから」


 Kがスマホの画面を見ると、自分のWi-Fiに接続された“もう一台のK”というデバイスが表示されていた。


 それは——3年前に亡くなった姉のスマホの名前と一致していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ