先生来たる
目が覚めると両親から問い詰められたので正直に話したらめちゃめちゃ怒られた。
まあ我ながら独学で魔法使ってみるのは危ないとは思っていたし怒るのも当然だと思うが、だからこそもう少し成長したらとか言われて止められるかもと思い黙ってやっていたのだ。
それこそ火の魔法とかは流石に危ないと思って、試すのも水差しの魔法にしたんだけどなあ。
俺が倒れた原因は魔力枯渇というものだったらしく、そんな対策も関係なかった。
ちなみに魔法をキャンセルできなかった理由だが、両親はそりゃ制御できなかったからだと言っていた。
しかし両親は魔法に詳しいわけではないのでその言葉が正しいのかはわからない。
もし制御の問題ならそれを身につけるまで魔法を一回使うたびに魔力枯渇まで使い続けてしまうことになる。
それだと練習もままならないと思うのだが世の魔法使い達は始めの頃どうやって練習しているのだろうか。
幸い、両親は魔法使いの人に家庭教師をお願いできないか探してくれるそうなのでそれまでは大人しくしていよう。
それから一ヶ月くらいは何もなく過ごすことになった。
つまりまた暇を持て合わす日々が戻ってしまったということだ。
あまりにも暇なので空中に魔力で文字を刻む練習をしていた。
と言っても魔法が発動してしまったら以前の二の舞なので、文字をあえて途切れ途切れに書く練習だ。
初めて魔法を成功させるまでは空中に文字を書くのが難しくて文字が途中で途切れてしまっていたのだが、その時魔法は発動しなかった。
それを意図的に行うことで魔法を使うことなく宙に魔法文字を書く練習をしていたのだ。
この練習方法はわざと文字を途切れさせることが逆に意図した通りの線を描く練習になり、割と良い暇つぶしになった。
しかしいい加減魔法を使いたい、と思い始めた頃ようやく進展があった。
「やあ。君がアゼルくんだね?私はユミル。ヘルダート魔法大学の一回生だ。そして今日から君の教師でもある」
待ちに待った教師役はミステリアス美少女大学生であった。
彼女はこの都市の魔法大学に在学している魔法使いでバイトとして俺に魔法を教えてくれるそうだ。
「その年で魔法を使ったんだって?しかも独学で。神童現る!って噂になってたよ」
何でも魔法を使えるようになるには年単位で訓練が必要らしい。
魔法使いを目指す子供は普通は12歳頃に入学することになる魔法学園の入学試験に向けて魔法を発動させられるように練習するのだそうだ。
俺も魔法を使えるようになるまでかなり苦戦したと思っていたがこの世界の常識的にかなり早すぎるらしい。
まあ子供があのまったく手応えがない状態で根気強く練習し続けるのも大変、というのも理由の一つとしてありそうだが。
俺は持て余した暇を使って魔力量だったり筆記速度などの変化を色々試していたし、単純にほとんど一日中試し続けてもいたからな。
ちなみに年齢の話で言えば俺は今8歳だから魔法学園の入試を受ける人たちに対して4年のアドバンテージを得たことになる。
「そうなんですか。わた、えー俺はアゼルと言います。あのー……早速先生に質問があるんですけどいいですか?」
これどれくらい子供っぽく振る舞えばいいかわからんな敬語とか。
大人相手でも両親とか両親の知り合い相手には割と砕けた感じを自然に出せたんだが。
「おー先生呼びは慣れなくてちょっと照れるな……じゃなくて。もちろん何でも聞いてくれたまえ」
照れてるユミル先生は可愛かったが、一旦それは置いておいて俺が魔力枯渇で倒れた時のことを説明し、なぜ水差しの魔法を倒れるまで使い続けてしまったのか、途中で止めることができなかったのかを質問した。




