魔法の世界の花畑
「ここ何処だ……?」
黒羽 一葉は気が付いたらそこにいた。
──花畑
特に別に花に詳しい訳では無かったがそこに咲いてた花は明らかに普段見ているものとは違っていた。
風車のように回転する花、花が一枚一枚消えたり付いたりして発光している花や見ている間の今唐突に伸びて花が咲いた花まであった。
──あぁ全部夢か
黒羽はそう思い至った。
最近学校の勉強で疲れて過ぎていたいたのかもしれない。花畑に寝転がり二度寝しようとした。
「そこ知らない人の私有地なのでそこであまりごろ寝すると怒られてしまいますよ」
「うわぁ!!?」
唐突に誰かに話しかけられ黒羽は飛び起きた。
声をかけてきたのは男の声だった。
見ると黒いマフラーを巻いた格好の青年だった。
またその横には10歳くらいの少女もいた。
「生きてる……?」
小さな少女は口を開くとそう言った。
「生きてるけど……」
黒羽は困惑しながら答えた。
生きてる…?って質問としておかしくないだろうか?
「さっきまで意識が無かったんですよ。貴方は」
黒いマフラーの青年は疑問に答えるように言った。
黒マフラーは続ける
「私が貴方をそこに寝かせたんですよ」
「そうなのか……この花畑に……今さっき知らない人の私有地って」
「なんか写真ばえしたので」
「写…」
なんか黒いマフラーの青年は変わった人間のようだった。歩き花畑を離れる。
「おや?どちらへ?」
「いや助けて貰ったのは分かったけど家に帰らないといけないから
あと知らない人の私有地の花畑は出るから」
「では送りましょう。私はとても親切な人間なのでね。場所はグレシティアかプロスタカンテのどっち方面でしょうか?」
「グレ……何?」
足を止めて黒羽は聞き返した。
「グレシティア王国かプロスタカンテ王国どっち方面が家なのかって質問ですよ。ちなみにここは大体ちょうど両国中間の位置です。分からないんですか?」
「違うわここはグレシティア王国領内よ。全くアデスは地理に弱いんだから」
「そうなんですか?」
青年と少女はそんなやり取りをしたので浮かんだ疑問を聞く
「えっと……ここは日本じゃないのか?」
「ニホンなんて国知らないわ」
アデスと呼ばれた黒マフラーのかわりに少女が答えた。
黒羽は顔をしかめた。
そもそも謎の植物がある時点で多少予感してなくは無かったがいざそうだと言われると改めて困惑する。
「そもそも勇者にこの世界のどこかに家があるなんてわけ無いのに送るなんて意地の悪いこと言うのアデス」
少女は冷たく言い放った
「悪気は無いですよキャラ様。本当にこの世界の人間じゃないのか調べるための軽い質問です」
少女の名前はキャラという名前のようだ。
「本当かなぁ?貴方はどう思う?」
「ちょっとわからないからイチから話して欲しいんだけど勇者とか?世界?お前らは何なんだ?」
「人に名前を聞くときは自分から名乗るのが礼儀だと私は思うのです」
アデスはそう言った。その言葉でここまで自分が名乗っていないことに黒羽は気づいた。
「確かにそうだな…俺の名前は……」
「私の名前はアデス、こちらの少女はフルネームでは無いですがとりあえずキャラ様とでもお呼びください
貴方の名前を聞かせて貰ってよろしいですか?」
「〜〜〜〜〜!黒羽一葉だ!よろしく!」
「ええよろしく」
アデスはニコニコ笑顔で握手した
「やっぱ意地が悪いアデス」
少女のキャラ様は呆れたように呟いていた