魔女のレストランを目指して
アデスとキャラ様が武器屋に着くと黒羽とヘイルは外に出て雑談をしていた。
「戻って来たね」
「こんばんはキャラ様」
クロバはキャラ様に挨拶した。
キャラ様は不思議そうな顔をする。
「あれ?クロバの武器は?買わなかったの?」
「ヘイルに貰ったよ。今は収納してる」
「おや?さっきまで魔法使えなかったのに収納を覚えたんですか?」
アデスの質問はヘイルが答えた。
「ボクが色々教えたんだ」
「収納魔法だけじゃないぞ?身体強化や防御魔法も一通り教えて貰ったし『魔眼』とやらの意識した使い方も教えて貰ったんだ」
「魔眼もですか」
黒羽が未来視を発動させる。黒羽の目が緑色になり三角模様が浮かんだのをアデスに見せたあと戻した。
「それから武器は彼にプレゼントしたから代金は要らないよ。不良品の処分だと思ってくれていい。一部機能が暴走してまとも使えなくてね」
「満月モードとか新月モードが全然駄目だったな。まともに使えたのは三日月モードくらい」
「モード?」
アデスがへーという気の抜けた返事をする。次にキャラ様が質問を聞いてきた。
「クロバの武器ってどんなの?」
「いいよ見せてやる」
黒羽はそう答えると目の前に手をかざした。
「『闇色夜月』」
すると黒羽の手の中からズズッと伸びるように黒い剣が出てきた。
剣を振ると黒い軌道がその場にしばらく残った。
「なかなか良いじゃない」
キャラ様はそう褒めてくれた。
「だろ?カッコいいよなこの黒い剣」
「ええ。オモチャ屋に売ってそう」
「それでは行きましょうか」
アデスが話を切り上げて黒羽たちはレストランへ向かう。
「オモチャ屋……」
「大丈夫、ボクはカッコいいと思ってるよ」
ヘイルのそんな言葉が街の片隅で響いた。
───
────
「レストラン『ナンシー』?そこに行けば魔女に会えるんだ?」
黒羽が聞く。
「そこまで簡単にいくとは思ってないわ。テレサテッサ家と言えば植物魔法の使い手の名家。ナンシー・テレサテッサはその中でも幼少から突き抜けた才能を開花していた本物の天才よ」
「レストランはあくまでも彼女がやっているごくごく小さな事業の一つであって、オーナーとして食材の提供をしているくらいでしょうね」
アデスの言葉にキャラ様は頷いた。
「そうね。でも魔女と関係あるのは間違い無いから上手いこと話を付けられればナンシーと話せてもっと上手くいけば四天の魔女との接触も目指せるかもしれないわ」
「そのナンシーって言うのはどんなやつなんだ?」
キャラ様はしばらく悩んだあと……
「うーん……あたしも会ったことは無いからどういう性格かは知らないんだけど……彼女やったことはこの世界の人間なら大体知ってると思う」
アデスは頷いた。
「10年前まで魔法で作った食材は食べることが出来ないが常識でした。魔法で作った食物は形と見た目だけであとはただの毒の草。食べれば強力な拒絶反応が出てしまう……。
それを根本から作り変えて常識を覆したのがナンシー・テレサテッサ当時6歳」
「6さい?」
年齢が低すぎて黒羽はすぐには理解仕切れなかった。
「まず作ったのがりんご。やがて多様な果物に野菜に米や麦など徐々に完璧に増やして世界の食糧問題は消えたわ」
「彼女はその魔法技術を独占などせず世界に公開しました。今では彼女のことを「豊穣の女神」などと呼ぶ人もいますね」
「そうなのか……一つ良いか?」
黒羽は四天の魔女がどんなやつらなのかは知らない。何なら南海の魔女すら未だに詳しくは知らないのだ。ただ一つどうしても言いたいことがあった。
「そのナンシーってやつのほうが四天の魔女より凄かったりするんじゃないか……?」
「魔女上位層はみんな凄いのよ?ダテに勢力になっては居ないわ」
そんな会話が終わる頃レストラン「ナンシー」に3人は到着した。




